もし「男より女のほうがエロい世界」に迷い込んだら、あなたは生きていけるか?【カリスマ男の娘・大島薫】
―[カリスマ男の娘・大島薫]―
見た目は美女でも心は男――。「カリスマ男の娘」として人気を博し、過去には男性なのに女優としてAVデビューを果たした大島薫。女性の格好をしたまま暮らす“彼”だからこそ覗ける、世の中のヘンテコな部分とは?
もしも男女の貞操観念が入れ替わったらどうなるのだろうか。
そんなパラレルワールドな妄想を、実際に本気で作品にしたものがある。
『貞操逆転世界』だ。
原作は天原さん、漫画を万太郎さんが担当している。この天原さんという方は昔からこの「貞操逆転世界」というテーマで同人誌を書いていたのだが、この作品はその設定をそのままに一般紙に持ってきたような内容になっている。
女子高生の市川桃奈が病院で目覚めると、見舞いに来た友人や周りの人々の様子に違和感を覚える。下ネタで盛り上がる女子高生や、女性向け店舗ばかりの風俗街、何の躊躇もなしにトップレスになって授乳を始める母親……そこは貞操観念だけが逆転した世界だった。
これだけ見ると、貞操観念を逆転させた世界でお色気を描こうとしているマンガに見えてしまうかもしれない。しかし、なかなかこれは思考実験としてよくできている。
例えば、こんなシーン。
貞操観念が逆転した世界だと気づき始めた女子高生の市川は、街中でもっこりハイレグのイケメンがジョッキを掲げるビールの看板を見つける。それを見て「男のもっこり水着とビールになんの関係があんのよ……こんなもんビル一面に飾って……」と呆れる市川。しかし、次の瞬間こう考える。
「……いや、そう考えると元の世界も大概ね」
たしかに。よくよく考えてみれば、ビキニ姿の美女にビールジョッキを持たせた看板となんら意味合いは変わらない。それになんの意味があるのかと言われれば、なんの意味もないのだ。
貞操観念が逆転したいびつな世界で、一般の女子高生が逆に現実世界のいびつさに気づくというこの構図が非常に面白い。
貞操観念が逆転した世界の「テレビ番組」は?
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1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター@OshimaKaoru
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