雑学

オトコの乳首はなぜあるのか? 存在する理由を真面目に調べてみた

 母親が赤ん坊に授乳するために必要な器官「乳首」。しかしなぜ、授乳する可能性のない男性にも存在しているのだろうか? 誰しもが一度は抱いたことのあるこの疑問をさまざまな角度から徹底検証してみた!

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生物学的に男性にも必要のない乳首がある理由とは?


「ボクは乳首が大好きだ!」という読者諸兄は少なくないだろう。といってもそれは女子の乳房の乳首が“好き”なはず。

 女性と異なり、授乳する可能性のあるわけでもないのに時折、“透け乳首”なる惨事を生む。誰もがその存在に疑問を抱いたことがあるはずだ。

 SPA!編集部が男女100人を対象に行ったアンケートでは、「男性の乳首必要なし」と答えたのは約3割。意外と少ないと思いきや、「必要あり」と答えた人の理由は「なんとなく」「特に根拠はないけど」など漠然としたものばかり。逆に「必要なし」派は「役に立たない」「使ったことがない」「邪魔」などバッサリと切り捨てる強い意見が多かった。つまり、乳首必要派を含めても、男性の乳首に価値を見いだしていないということだ。ならば、不要なのになぜ男に乳首はついているのだろうか。

「ヒトを含めた哺乳類の基本形はもともと女性形だからです。男も女もベースは女性で、男性はY染色体の影響で半ば無理やり男になっていくんです」

 こう説明してくれたのは、『なぜ男は女より早く死ぬのか 生物学から見た不思議な性の世界』などの著書がある理学博士の若原正己氏だ。

「だから男女ともに同じように乳首があるわけです。幼児期のヒトの体は、生殖器部分を除くと男も女もほぼ同じ体形をしています。それが思春期以降、第2次性徴が出るときに女性の乳首・乳房は女性ホルモンの影響で大きく発達します。逆に言いますと、乳首・乳房の発達には女性ホルモンが不可欠と考えられます。ですから女性ホルモンの出ない男性の乳首・乳房は発達しません。逆に男性ホルモンの影響で声変わりをして筋肉が発達するなどの変化が生まれるのです」

 つまり、男の乳首はベースである“女性形”の名残ということだ。思春期に男でも乳房が少し発達して“しこり”になるのも、こうした理由から。ならば、女性ホルモンの分泌が増加すれば男でも乳首や乳房が発達して授乳できるようになることも?

「最近は人工的な化学物質が女性ホルモンのような働きをすることで地球環境全体がメス化しているという見方もありますが、現実的には男性の乳首が女性化することは考えにくい。ただ、性転換手術を受け女性ホルモンやプロラクチンの投与まですれば、乳汁分泌が起こることは十分に考えられます」

 いずれにしても、生物学的に見ると男の乳首は、あって当然だが、働き的には不要とのことだ。

【若原正己氏】
’43年、北海道生まれ。北海道大学理学部卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。実験発生学を専門とし、遺伝子発現に及ぼす環境因子の影響などを研究。著書に『なぜ男は女より早く死ぬのか 生物学から見た不思議な性の世界

― [オトコの乳首]はなぜあるのか? ―





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