激安から高級へ。新型レクサスLSが高級車で一番になるために必要なこと
クルマは必要なときにカーシェアリングで十分というみなさまには、毎度関係ない話でスイマセン。当連載の面々は激安ワイン、吉野家、ユニクロを愛しておりますので衣食については門外漢ですが、いいクルマに関しては敏感なカーマニアでございます。で、今回の新型レクサスLSは、普通に高級でいいクルマではありましたが……
永福ランプ(MJブロンディ)=文 Text by Shimizu Souichi
池之平昌信=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu
中身そこそこで高額。新型LSには初代のような圧倒的な何かがありませんでした
今私はこの原稿を、バスローブを着、赤ワインを飲みながら書いています。西友で買ったペットボトル入り(298円)ですが、それが一番美味しく感じるので……。
私には、高いワインを飲む意味がまるでわかりません。なにせ味がわからないので。
同じように読者のみなさまは、高級車を買う意味がわからないでしょう。電車やバスで十分、そっちのほうが便利で安い! そのように力強く確信されていることでしょう。
しかし、高級車を求める人は世界に絶えません。高いワイン同様、需要があるのです。そしてその需要は、確実に高まりつつあります。世界の二極化は進みつつあるのです!
高級車の世界は、絵に描いたようなブランドの世界。なによりも伝統が重視され、新規参入は鬼のようにムズカシイ。
たとえばダイハツがベンツに対抗する高級セダンを作っても、まず買う人はいません。スズキが作った中型高級セダン「キザシ」は世界中で販売不振で、国内では超安値入札(1台95万円)により、約900台が覆面パトになりました。日本にあるキザシの半数以上が覆面! キザシを見たら私服刑事と思え!
何が申し上げたいかと言うと、激安ワイン的なところから出発したトヨタ自動車が、28年前からメルセデス・ベンツSクラスの対抗馬たる高級セダンを作り始め、現在世界でそれなりの地位を築いていることの重みです。それがどれほどの偉業であるか、そこに我々は思いを致さねばなりません。
それがこのレクサスLSであります。国内では3代目まで「セルシオ」の名で販売されましたが、北米ではこの新型で5代目です。
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