飲み屋で一日50万使って「まったく記憶にない」…アル中だと思ったら若年性認知症だった
「あの人の名前、なんだっけ?」「昨日の晩ご飯、何を食べたっけ?」「実家の郵便番号っていくつだっけ?」……。30~40代にもなると急激に進む記憶力の低下。「あれ」「それ」といった指示語で会話する頻度が増えるたびに、「もしかしてボケが始まっているかも」と不安になる読者も多いことだろう。近年増加傾向にある若年性痴呆症は、決して他人事ではないのだ。はたして彼らはどのような兆候があり、現在どのような暮らしを送っているのか。現状に迫った。
…金本由人さん(仮名・42歳)兆候35歳/発症41歳
「異変に気づいたのは7~8年前、35歳の頃です」
そう話すのは、アルコール依存症を周囲から疑われ、自覚もあったという金本さん。お酒を飲むたびに、頻繁に問題行動を起こすようになったという。
「荷物もケータイも全部置いたまま、ふらふらっとトイレに立ち、そのまま家に帰ってしまうことがあって。当然、周りは心配しますよね。女のコと一緒にカラオケに行って、一人店に残して帰ってしまったこともありました」
タクシーに乗ると、部屋のソファに座っていると勘違いするのか、後部座席で全裸になることもしばしば。この程度なら酔っ払いの笑い話で済むが、近年では飲み屋や風俗店をハシゴし、一晩で50万円もの大金を知らぬ間に引き出し、蕩尽してしまうことが度重なるようになった。
「まったく記憶がないんですよ。でも、朝目覚めるとめちゃくちゃ二日酔いだし、恐る恐る残高を調べてみると、入ったばかりの給料が全額なかったり。消費者金融にも手を出し、今もローンの返済に追われています」
このままでは生活が破綻してしまうと、意を決して病院へ。
「アルコール依存症だと思っていたのですが、言われたのは認知症の疑いがある、と。最近は会議やアポの時間を間違ったりコロッと忘れたり、ミスが目立つようになった。上司にも心配されています」
アルコール性認知症は、もとを絶てば改善できる。認知症対策として数年前からギターの練習を始めた。取り返しがつかなくなる前に善処してほしい。
― 30代から始まる[若年性痴呆症になる人]のヤバい兆候 ―

飲み屋のハシゴで一日に50万円蕩尽。しかし記憶は「まったくなし」
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