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バブルから30年…「オジサンの生き様」はどう変化した?

バブル経済に沸いた40代男性=オジサンと、デフレ不況を粛々と生きる今のオジサン。実際はどちらが幸せなのだろうか。さまざまなデータを基に、この30年間で中年男がどう変化したのか追った。 中年男の30年史

時代に翻弄されたオジサンの30年

 オジサンは世につれ、世はオジサンにつれ変化してきた。「中年男性の変わらない価値観が時代に置いてけぼりを食ったのがこの30年です」と話すのは、時事ネタの読み解きに定評のある“時事芸人”プチ鹿島氏。週刊SPA!創刊の’88年から’18年までの30年間を4つに分け、時代ごとの40代男性=オジサンを振り返ってもらった。  ’80年代後半は「24時間戦えますか。」「5時から(男)」の栄養ドリンクCMが流行したが、プチ鹿島氏は「当時の中年男性は高度資本主義を空元気で乗り切った」と言う。オジサンのやせ我慢に限界がくるのはバブルが崩壊し、オジサンの時代遅れな性価値観への風当たりが強くなった’90年代からだ。 「オジサンの’90年代は’89年の宇野宗佑首相の女性問題で始まります。従来の永田町の価値観なら芸妓や愛人は当り前でしたが、趨勢が変わる。スクープした『週刊朝日』の当時の編集長・鳥越俊太郎の淫行疑惑が’16年にあり、28年越しのブーメランとなったのも皮肉でした」  ちなみに「セクハラ」が流行語になったのも’89年。今年は「#MeToo」が話題だが、約30年たっても男は懲りていないのだ。  ’90年代、オジサンは「おやじ狩り」に怯える一方、「援助交際」に手を染めた。’95年の阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件で平穏な日常は終わり、’97年の山一證券倒産や大蔵官僚の「ノーパンしゃぶしゃぶ接待」によって大企業や公への信頼も揺らいだ。自殺者数が初めて3万人を超えたのも’98年だ。 「サラリーマンの生き方が見直されたのが’90年代です。オヤジバンドブームや震災ボランティア、援助交際すらも彼らの逃げ道だったのかもしれません」
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’00年代は“オジサンの自己肯定期”
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