エンタメ

スギちゃん流40代の生き方「オジサンこそ悪あがきをすべき」

スギちゃん

“オジサン像”がないから、40代でも体を張れる


 30代後半でブレイクし、40代で結婚・父親に――そんな今どきの“オジサンライフ”を満喫中なのがピン芸人のスギちゃんだ。44歳となった今も果たして座右の銘である「ワイルド」を貫けているのか。

「全然マイルドですね。ぼくには『芸人として売れること』と『家族を持つこと』という2つの夢があったんです。それが実現して、“売れたい”“モテたい”という欲求がなくなった。家族と過ごしながら、『あぁ、人生もう半分過ぎたな。あとは老けていくだけだな』と感慨にふけっています」

 趣味のプロレス観戦も、家族がハマらなかったので自粛中。休日はもっぱら公園やショッピングモールで家族サービスに精を出す“マイホームパパ”そのものだ。しかし、だからといって完全に老け込んだわけではなく、新たな欲求が出てきたという。

「30代までは、売れようモテようというセコい“見せワイルド”でした。でも、これからは中身のある“真のワイルド”を求めていきたい。夢も実現して、いつ死んでも本望なので、逆に体を張れる。誰もできないロケをやって、突破者になりたいんです。子供が大きくなったときに、『父親は一発屋でした』で終わらせたくない」

真のワイルドとは何か?


 そのために各界の突破者となった著名人のドキュメンタリーなどを見て、“真のワイルドとは何か?”を探求中だという。

「ちょいワルオヤジとかパパ活オヤジとか型にハマった“オジサン像”って、それこそモテたい、若く見られたいの“見せワイルド”でしかないんですよ。表面的な欲求は満たせるかもしれないけど、そこから先はない。その点で、今の“オジサン”のほうがお金はなくても、“自分なりのワイルド”を目指しやすいと思います。実際、30代までの夢だった“売れる”“家族を持つ”も、結局、『社会的に成功したい』という型にハマった夢だったから、それで本当に満たされたかというと微妙。むしろ、一通り人生を経験した40代だからこそ、誰かに提示された欲求じゃなくて『自分で自分を満足させること』が大切になるんだと思います」

 四十にして惑わずではなく、四十だからこそ悪あがきして、地団駄を踏めとスギちゃん。

「本当にしたいことは何か? どうすれば満足するか? それを追い求めて50代・60代になったとき、『お前、凄いな』、『お父さん、凄いね』と言われたいんです」

 不景気の中、じっと耐えてきた世代だからこそ、バブリーな価値観にとらわれない“自分だけのワイルド”を追い求めていきたい。

【スギちゃん】
お笑い芸人。’73年、愛知県生まれ。サンミュージック所属。『R-1ぐらんぷり2012』で準優勝を果たし、ブレイク。持ちネタの「ワイルドだろぉ」が同年、新語・流行語大賞の年間大賞を獲得

― 中年男[おじさん]の30年史 ―
取材・文/安里和哲 加藤カジカ キンゾー 藤村はるな 古澤誠一郎 宮下浩純 撮影/杉原洋平




おすすめ記事