W杯開催国ロシア、スペインを破り超満員の観客7万人が大爆発
7万人のロシアサポーターが勝たせた試合かもしれない。W杯の決勝トーナメントR16が現地時間の1日(日本時間2日未明)に行われ、開催国のロシアが、優勝候補の一角であるスペインを延長、PK戦の末下し、1970年のソ連時代以来のベスト8進出を決めた。
この試合が行われた、モスクワ市内のルジニキ・スタジアムは開始3時間前から大勢のロシアサポーターが詰めかけた。8万人収容と言われるスタジアムには早くからロシア国旗や、ロシアの名前の入ったマフラーを巻いた老若男女が集まってきていた。
しかし、アルゼンチンやコロンビア、ブラジルといったサポーターと違って、とにかく落ち着いている。たまに「ロシア!ロシア!」と掛け声が自然発生的に起こるものの、馬鹿騒ぎをするといった様子もなく、粛々とスタジアムに吸い込まれてく。スタジアム周辺で目立ったのはスペインサポーターのチャント(歌声)と、何故かあちこちにいたブラジルサポーターたちの「メッシ、バイバイ、さようなら~」と昨日のアルゼンチン代表の敗戦を揶揄する歌だった
ただ、試合開始にロシア代表の選手がアップに現れると地鳴りのするような大声援。スペイン代表には怒号のようなブーイングを浴びせるなど、徐々にボルテージは高まっていった。The White Stripesの「Seven Nation Army」が流れ出すと、「うぉーぉーぉお、おーお!」とイントロ部分をリフレイン。記者はゴール裏に陣取ったが、比較的外国人の多い席でも、皆ロシアのフェイスペイントをしたりして、明らかにロシア側だった。
さらに国歌斉唱では、勇ましい曲調に合わせて大合唱。高らかな歌声がスタジアムの屋根にこだまし反響し、それが地鳴りのように聞こえる。
キックオフ。のっけから明らかに押し込まれているロシア。その不安が的中したのは開始12分。スペインのクロスをクリアーしようとしたDFがまさかのオウンゴール。それまでウェーブなどをして大騒ぎだったロシアサポーターが一瞬静まり返った。
しかし、前半41分にPKを獲得。全員が祈るように静まり返ったあと爆発! 1-1の同点に追いついた。それまでちんたらやっていたスペインが目が覚めたように一気呵成に来るが、耐え忍んで前半終了。
記者の席は西日が直にあたって灼熱となってきた。周りのセネガル人やオーストラリア人はご機嫌だったが、その他のロシア人は額に大汗をかいている。なかでもユニフォーム姿で、ロシア軍(!?)のヘルメットをかぶって戦闘態勢となっている青年がツラそうだった。後ろにはロシア帽をかぶったおっさんもいる。東京で暑さに慣れている記者も日陰に避難するほどの暑さである。
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