自分の名前を検索したら「ネトウヨ」と検索候補が…ネット上の発言は一生消えない
現代社会においてインターネットは現実世界にも匹敵するほどの影響力を持つようになった。初めて会う人や仕事先で交流のある人物の名前を検索する人も多いと思うが、GoogleやYahoo!などの検索サイトには、単語を入力するだけで、続いてよく検索されている言葉が勝手にサジェスト(提案)されるようにプログラムされている。
じつは、この“検索サジェスト機能”が思わぬ悲劇を生むことがある。今回は、過去のネット上での発言により検索サジェストが荒れてしまった「デジタルタトゥー」に悩む人の声を聞いた。
西日本在住の重藤奈央さん(33歳・仮名)は、デジタルタトゥーに悩んでいる1人だ。
早速、彼の名前を検索してみると、「重藤奈央 ネトウヨ(ネット右翼)」、「重藤奈央 障害」などの検索サジェストが表示された。重藤さんがこのような状況に追い込まれたのは、2年ほど前からであるという。
「私の検索ワードがこんなにも荒れてしまったのは、3年ほど前に私がインターネット生放送を行ったのがきっかけでした。当時、私はある右翼団体に所属していまして、ネットの生放送で所属団体の宣伝も兼ねて、よく過激な発言を繰り返していたんです。もちろん、過激な活動をしているという自覚はあったので顔は露出することなく、身体と声のみでの配信でした」
しかし、重藤さんの本名が視聴者たちに特定されるのにそれほどの時間は掛からなかった。彼の過激な発言に怒ったネット民たちは、右翼団体の過去の活動動画や放送での発言などを元に、重藤さんの本名とそれに付随する情報を特定し、ネットに拡散した。
「身元がバレたときは、身が凍る思いでした。なまじ顔出しをしないなどの特定対策を行っていただけに、寝耳に水というか『どこから漏れた』という思いで疑心暗鬼になりましたね。放送自体はすぐに辞めて、所属していた団体からも席を外しました。元々そんなに思想が強いわけでもなく『ちょっと政治的な活動がしたい』といった興味本位でしたから」
騒動後、重藤さんがネットから姿を消したことにより事態は一旦収束に向かったという。だが、本当の恐怖は静かに足音をたてながら重藤さんに迫っていた。
過去のインターネット生放送での過激発言が原因で…
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