更新日:2018年10月02日 13:44
スポーツ

退職が決定した貴乃花親方「第2の人生」は政界進出か!?

貴乃花親方

「平成の大横綱」がどんな第2の人生を思い描いているのか? 多くの国民が注視している  写真/時事通信社 

 9月25日に引退を“宣言”した貴乃花親方と日本相撲協会の間で小競り合いが続いていた。貴乃花親方が提出した「引退届」や弟子の「所属部屋変更願」に不備があるとして、協会側が「受理できない」と突っぱねたからだ。協会側は頑なに「退職届」の提出を求めているが、貴乃花親方は、事実上の「退職届」として扱うよう上申書を提出。これに対し協会側も、書類の不備と弟子の転籍を巡って移籍先の千賀ノ浦親方との話し合いが不十分であるとの理由から27日の定例理事会を中止するなど、事態は10月1日の臨時理事会までもつれることとなった。 「相撲協会から(3月に内閣府に提出し、その後に取り下げた)告発状は事実無根であるとの有形無形の圧力を受けてきた。認めないと親方を廃業せざるを得ないという有形無形の働きかけを受けてきた……」  貴乃花親方がこう引退の理由を語ったことから、現在、5つある一門のいずれにも貴乃花部屋は所属できず、追い詰められ引退を余儀なくされたという見方も出ている。7月の理事会で、協会がこれまで親方個人に支給していた運営補助金を一門ごとに交付することを決定。一門に所属していない部屋はその対象から外すことを示唆したからだ。相撲ジャーナリストの荒井太郎氏が話す。 「古くからの一門制度に異を唱え2010年に二所ノ関一門を飛び出して理事となった貴乃花親方が、協会がガバナンス強化を理由に一門により権限を持たせるなかで引退に至った……。皮肉な構図に見えますが、一連の不祥事を受け、公益法人を所管する内閣府からのお達しでそうした流れになったので、貴乃花親方を追い詰めるために一門の権限を強化したわけではありません。  もともと、角界は古くから一門制度の下、うまく運営されてきたが、近年、どこにも所属しない親方や一門を飛び出す親方が出てきて、理事選の度に離合集散を繰り返してきた経緯がある。協会にすれば統制がとれないので、昔に立ち返って一門制度をベースに、今の時代に見合った運営をしていこうとしていたのです。  ただ、こうした流れは貴乃花親方からすれば、自分を追い出そうとする動きに映っても不思議ではない。すべての一門が少なくとも話は聞く体勢だったが、今回も貴乃花親方のほうから働きかけることは一切なかった。引退の理由である『圧力』についても、いつ誰からかけられたのか語らずじまいですし、協会を離れる本当の理由は、孤独な戦いに疲れ果てたからではないでしょうか……」  貴乃花部屋には小結・貴景勝、平幕・貴ノ岩、十両・貴源治の3関取が所属しており、彼らを含む最愛の弟子計8人と、床山、世話人は、旧貴乃花一門で貴乃花部屋付きの親方だった千賀ノ浦部屋への移籍が決まっている。9月29日には「貴乃花応援会」のWebサイトに、貴乃花親方と女将の花田景子さん、そして、弟子たちとの「お別れ会」の様子がアップされたが、これまで世話になった親方と女将に弟子たちから感謝の言葉が述べられ、2人が涙ぐむ一幕もあったという。 「(今後、協会と)戦う姿勢はございません。弟子たちが緊張、プレッシャーを受けることだけは避けたい」  引退会見で貴乃花親方はこう話したが、ここにきて、二子山部屋で貴乃花親方の兄弟子だった元関脇・貴闘力氏がインターネットテレビで放った発言が憶測を呼んでいる。 「以前、俺は(貴乃花親方に対して)『相撲協会なんて辞めてしまえ。国会議員にでもなって、協会の上の文部科学省に行って勝負してこい』と言ったこともある」
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「相撲学校」の設立とサポーター制度の導入
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