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11月1日は「本の日」。書店で林真理子が1日店長に

 11月1日は「本の日」である。とはいえ、2017年に全国の老舗書店で構成される書店新風会が提唱し、記念日協会により認定されたばかりの新しい記念日だ。まだご存知ない方が多いかもしれない。近年は出版市場が縮小傾向にあるが、本が売られている書店ではどのような取り組みが行われているのだろうか。 本

11月1日は「本の日」、全国の書店でイベントが開催

 11月1日から11日まで、全国の書店では「11月1日は本屋へ行こう!」と題したキャンペーンが実施されている。そもそも、なぜ11月1日が「本の日」なのかといえば、111を本棚に並ぶ本に見立てて指定されたという。「本の日」実行委員会事務局・宮野正浩氏によると、「想像・創造の力は1冊の本から始まる」との思いが込められており、出版不況が叫ばれるなか、それぞれの書店が自分たちの存在意義を再考しながら存続していくためには何をしていくべきなのか、動くきっかけになればと考えているらしい。  また、書店は本を売るだけではなく、作品、作品の世界観、作家とを結ぶ場所でもある。この日、東京・上野の「明正堂アトレ上野店」、東京・有楽町の「三省堂書店・有楽町店」では、現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』の原作者でもある作家の林真理子氏が1日店長に就任するイベントが開催された。
林真理子

自らレジに立つ林真理子氏

三省堂、明正堂では作家・林真理子氏が1日店長に!

「『本の日』は買っても買わなくても、とにかく本屋さんに行きましょうという日です。本の中に囲まれて、心ゆくまで楽しみましょう」  三省堂書店では、林氏の店内放送からイベントがスタート。自らレジカウンターで接客したり、キャンペーンのチラシを配布したり、本の日のPRが行われた。林氏は、自身も書店の娘として育ったことから、母親との思い出を振り返る。 「本って本当に利幅が少なくて、うちの母も生涯本屋のおばさんでしたけど、でも誇りをもってやっていましたね。本屋さんって大切にしていただきたいと思います。本屋さんが消えるってことは、私たちの頭の中の大事なものが消えていくっていうことなので。なくなってから本屋さんがどれだけ大切だったかということがわかる」  そしてイベントを終え、書店の魅力を改めてこう話した。 「今日は、本屋さんにお客さんがいっぱい吸い込まれていく光景が見られて、嬉しかったですね。本屋さんって、ひとつのもの目当てで来ても、『あ、これもおもしろそう』って手が伸びるのがいいところ。好奇心が縦横無尽にぶわーっと広がる場所なので」 林真理子

本を売るだけではない、書店の新しい形

 「本の日」は、読書週間(10月27日~11月9日)の期間中でもあり、その他の書店においても引き続き作家のサイン会や絵本のキャラクターが来店するイベントなど、さまざまな取り組みが行われる予定だ。  現在では、カフェを併設したり、雑貨の販売を行ったり、トークイベントが開催されたり……従来のイメージにとらわれず、新しい形を目指す書店も増えてきた。時代と共に進化していく書店の姿に今後も注目していきたい。<取材・撮影/ESSE編集部、構成/日刊SPA!取材班>
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