松本人志がAmazonで“実験的な笑い”を量産し続けるワケとは?
賛否両論がうずまいている。
Amazonの配信番組として2016年にスタートした『ドキュメンタル』は、10人の芸人による「最後まで笑わなかった者が勝つ」というバラエティ番組。参加費の100万円を借金で用意する芸人もいるなど、優勝賞金1000万円の行方を追うドキュメント性も見る者にとっては魅力のひとつだ。発案者である松本人志は同番組を“実験”であると言う。実験だから賛否両論が生まれるのか、松本人志作品だから賛否両論なのか。本人の思いや、いかに。
──『ドキュメンタル』シリーズのなかの一作『Documentaryof Documental』での、順番の話が印象的でした。松本さんいわく、テレビと配信との差別化ありきではなく、まずはおもしろいか否かであると。
松本:うん。ついついね、配信なんだからテレビでできないことをっていう発想になってしまうんですけど、結局それってテレビを意識しすぎていてテレビから逃げられていないというか。そうではないですよね。
──「実験」という言葉を選んでいますが、手応えのほどは?
松本:おもしろさがサーモグラフィみたいなもので赤く表示されるとしたら、一番真っ赤なところがあのスタジオなのかなぁと思うんです。でも、「仏作って魂入れず」じゃないですけど、『ドキュメンタル』の僕って魂はほかの住職に任せてるみたいなところがある。だから、僕があまり偉そうに言う立場でもないのかな、と思っているんですけどね。
──『FREEZE』はいかがでしょうか? 「強者が弱者を貶める笑い」など、厳しい評価も目につきます。
松本:みんなね、すっごい僕のことを強いと思ってるんでしょうね。だから『FREEZE』でも、僕がいじめてるみたいに見えるんでしょうけど、全然そんなことはなくて。実際、テレビの自分の番組ではかなりきついこともやらされてますから。でもなぜか、レビューでクソほど僕がいじめられるという(笑)。
──マッチョな外見からの先入観もあるんでしょうか? 松本さん自身は「筋トレやる人は実は弱い」とも発言していますが。
松本:ジムに行くときはいつも「今日で最後や」と思って行ってますから。もう嫌で嫌でしょうがないんですけど、やめると脂肪になるらしくてやめられないんです。これがまた「どこを目指しているんだ?」なんて批判されるでしょ。ジムに行くのは週に2回程度だし、みなさんが思うほどは鍛えてないんですけどね。
──ひとつ気になったのは、松本さんは、批判的なレビューなどにも、ちゃんと目を通すんですね?
松本:見ます見ます。『ドキュメンタル』も『FREEZE』もちょこちょこ目にするのは「判定が曖昧だ」という意見。これねぇ、百歩譲って『ドキュメンタル』は参加者が100万円も身銭を切ってるわけだからそう言う人たちの気持ちもわからないでもない。でも、『FREEZE』はそうじゃないのに、よく言えばものすごく真面目に見てもらってるんですけど、悪く言えばもうちょっと肩の力抜いてくれへんかなぁって。「君たちがフリーズしてんじゃないの?」って感じはしますよね(笑)。

みんな僕のことをすっごい強いと思ってるんでしょうね
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