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11年育てた息子が浮気相手の子!? それでも妻と子を愛せるか――映画『いつか家族に』

―[モテる映画工学]―
~藤沢数希のモテる映画工学『いつか家族に』~
藤沢数希のモテる映画工学

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11年育てた息子が自分の子ではなかった!? それでも妻と子を愛せるか

 映画の舞台は朝鮮戦争直後の韓国の田舎町。畑仕事や工事現場で男たちが汗を流している。ポップコーン売りの美しいオンナンはそんなムサ苦しい男たちのアイドルだった。  日雇い労働で暮らしている新参者のサムグァンは彼女に一目惚れし、結婚を迫る。しかし、オンナンには羽振りのいい恋人がいた。サムグァンは諦めずに説得を続け、幸運にもオンナンの父親に気に入られ、結婚を許された。  やがて、3人の子宝に恵まれる。働き者で家族思いのサムグァン、いつまでも美しいオンナン、貧しいながらも幸せに暮らしていた。しかし、村ではよからぬ噂が流れていた。長男がオンナンの昔の恋人によく似ているのだ!  男は子供が本当に自分の子供かわからない。現代の先進国でも、数%の子供は夫以外の精子から生まれてくるそうだ。  これは連れ子や不妊治療の話ではない。妻がこっそり浮気をするためだ。生みの親より育ての親なのか、あるいは血は水よりも濃いのか。美しい昔の韓国の風景とともに、家族の愛が映画では描かれる。  ところで、サムグァンはどうやって村一番の美女を射止めたのか。献血で血まで売って稼いだお金で威勢よく奢ったりしているが、ポイントはそこではない。  実は、最初に出会ったときに勝負が決まっていた。ほかの大勢の男たちが目をハートにしてポップコーンを売る彼女に群がっていたが、サムグァンだけはあまり興味なさそうにクールに振る舞っていたのだ。そして、逆にオンナンのほうから話しかけてきた。  他人と違うことをやる、というのは恋愛でもビジネスでもとても大事だ。その他大勢から抜け出そう。
―[モテる映画工学]―
理論物理学研究者、外資系金融機関を経て、作家。メルマガ「週刊金融日記」は読者数1万人、ツイッターのフォロワーは14万人を超える。最新刊『損する結婚 儲かる離婚』が発売中

いつか家族に
配給/ファインフィルムズ 監督/ハ・ジョンウ 原作/ユイ・ホア 出演/ハ・ジョンウ ハ・ジウォンほか
12月22日より全国公開
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