皆さん初めまして、
今井諒です。元『men’s egg』モデル、現在はメンズファッションブランドのディレクターやオンラインショップの運営を行っております。かつて“
ギャル男”だった僕も今では二児の父となり、仕事と育児に邁進中です。
今井諒氏(右)が表紙となった『men’s egg』(株式会社大洋図書/2006年4月79号)
年末年始にかけて、家族や親族との会合が増えることかと思います。そこで、記念すべき連載第1回! テーマは『
嫁さんの御両親に失礼のない着こなし』です。
結構これが難しくて、当たり障りない格好をして「パッとしない地味夫」と思われるのもなんだか癪(しゃく)ですし、キメッキメのよそ行き服で行くのもいかがなものかと悩まされますよね。
年末年始は嫁さんの実家へ帰省…さて、何を着ていく!?
かく言う僕も以前、家族で食事に行く際、
義父母が来ることを知らずヒョウ柄のシャツを着ていったら直接言われなかったにせよ、眉をひそめられた経験があります。
20代半ばだった当時は「これも自分なんだからまぁいいか」と深く考えることはありませんでしたが、齢30を越えた今になってみると
ヒョウ柄のシャツを着た派手な若造と食事をするのはさぞ気まずかったろうなぁと、義父母には改めて申し訳ないことをしたと思います。
さて、旅行や初詣など集団行動が増える年末年始、同伴する家族に忍びない思いをさせないためにも、TPO(Time=時間、Place=場所、Occasion=場合)をしっかりと考えたコーディネートでのぞみましょう!
まずは1つ目のポイント「
清潔感」。たとえば、世のファッションにはあえてボロボロに退廃させた服もありますが、「
ダメージデニムを置いといたらおばあちゃんに縫われてた」なんて話があるように、まだまだ目上の方にはなかなか理解が得られない文化でもあります。
軽いダメージデニム程度はアリですが、節度あるレベルが望ましいですね。ほら、なにより穴開いてると寒いですし(笑)。
トップスはTシャツよりもニットやカジュアルシャツだとGOOD!
その理由は、我々世代ではすっかりファッションとして根付いているTシャツですが、まだまだ50年やそこらの文化なので
「Tシャツ=下着」という認識の年配者は思っている以上に多くいます。意識して街を見てみると、Tシャツを着た年配者ってあんまりいないと思いませんか?
2つ目のポイントは「
明るいトーン」。景気が良くなると明るいカラーが流行するのと同様に、明るいカラーはその人の好感度も高めます。奇抜すぎない柄物なんかもいいですね。
全身真っ黒で疲れた顔をしていたら、あまり仕事が上手くいっていないものかと不安に思われかねませんが、明るいカラーを着ていれば「仕事頑張ってるのね! 2018年もお疲れ様!」とキンキンに冷えたビール片手に笑顔で労いの言葉をかけてくれるでしょう。
ラストの3つ目は「
リラックス」。御両親への気遣いを書いているこの記事の内容と一見逆行しているように思えるこのポイント。
極端なことを言えば、「失礼のないように」とスーツでも着てきたもんなら逆に気を使わせてしまいますよね。動きにくいギッチギチな格好だと手伝いもままならないし、
慣れない正座でノンストレッチのスキニーパンツなんて穿いたもんなら地獄の沙汰です。
というワケで、動きやすい伸縮性のある素材をチョイスするのが望ましいですね。
さて、3項目に分けてポイントを紹介してきましたが、結局どんな格好がいいのよ? って話なので、どの家庭のクローゼットにも入っていそうなアイテムたちでサンプルコーデをサクッと組んでみました。
老若男女に好印象を抱かせる年末年始の鉄板コーデは……ズバリこれだ!
1985年生まれの33歳。メンズファッションブランドディレクター。かつて若者たちから絶大な人気を誇ったメンズカルチャー誌『men's egg』にてモデルを務める傍ら、19歳で衣料品生産請負会社へ入社し、ファッション業界へ飛び込む。以後は自身のブランド「blutenblatt(ブリューテンブラット)」を設立し、2008年に独立。現在はメンズファッションを中心としたセレクトショップ「
A.R.K ONLINE STORE」運営のほか、特許を取得した世界初の変身帽子ブランド「
マスクヘッズ」の主宰を務める。プライベートでは二児の父となり、“イケてる親父”を目指して仕事に育児に奮闘中!
記事一覧へ