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性的暴行で5回逮捕の“ミスター慶応”が不起訴になったワケ

法改正で準強制性交等罪は非申告罪となったが、起訴されるケースはまだ少ない?

 犯行内容だけを見れば、慶応大生がやったことは起訴されても何らおかしくないが、そこには性犯罪ゆえの事情がある。 「刑事裁判をするとなれば、女性は被害の様子などについて、捜査機関や裁判所で改めて質問を受けることになります。当然、被害に遭ったときのことを思い出さなければならず、精神的な負担の大きさは計り知れません」 裁判 特に今回はミスター慶応ファイナリストが犯した事件とあって、メディアもセンセーショナルに大きく報じている。仮に裁判になっていればさらなる注目を集めたのは間違いなく、女性にとってはそれこそセカンドレイプも同然だ。  だが、準強制性交等罪は性犯罪を厳罰化した平成29年(2017)の法改正により、罪状の構成要件や法定刑が見直され、名称も以前の準強姦罪から変更。なかでも大きく変わったのが、従来の女性限定から性別に関係なく適用されたこと、被害者の告訴がなくても起訴できる非親告罪に改められた2点だ。 「しかしながら今のところは被害者に配慮して、本人が裁判を望まずに示談が成立していれば、これまでとさほど変わらずに多くの事案が不起訴になっている印象です」(松井弁護士)  しかも、逮捕されても不起訴になっているため、慶応大生らには前科もつかない。 「ただし、記録は検察や警察に残ります。仮に似たような犯行を今後繰り返した場合、そのときは起訴される可能性が高くなります」  性犯罪の再犯率の高さを考えると、これがどの程度の抑止力になるかは疑問。もちろん、主犯格だった慶応大生は一部で実名報道もされ、社会的制裁を受けているとの見方もできる。 とはいえ、いかに不起訴といえど、世の女性たちにとっては不安なはず。彼らがしっかりと更生し、二度と同じ過ちを繰り返さないようにただ祈るばかりだ。<TEXT/トシタカマサ>
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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