更新日:2019年02月27日 17:25
お金

ドル円の大暴落…正月に続き、GW10連休も!? 日本人の長期休暇が狙われる

大暴落は再び起こる!? 10連休のGWが危ない

 海外のヘッジファンドは、日本人投資家の習性を分析し、幾度となくミセスワタナベ狩りでおいしい思いをしてきた。そんな彼らは、虎視眈々と次の狩りのタイミングを窺っていたのである。
写真/時事通信

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「海外投資家は、日本のカレンダーを熟知しています。日本では1月3日は正月ですが、欧米は1月2日から平日です。しかもクリスマス休暇でしっかり休み、やる気十分なんですよ。 そこにアップルの業績悪化のニュースが流れ、時間外取引で米国株は急落。これを材料にし、海外ヘッジファンドは日本人投資家の損切りラインに揺さぶりをかける。 損切りやロスカットでドルが売られれば、ドル円の下落に拍車がかかり、今回のフラッシュクラッシュにつながったと推測できます」  さらに、最近はミセスワタナベ狩りの手法もより巧妙になっていると西原氏は指摘する。 「ヘッジファンドはAIと高頻度取引を駆使し、急落させた後、すばやく買い戻して利益を確定。もちろん仕掛けるのはヘッジファンドですが、今回のスピード感は生身の人間には難しい。まさにAIにミセスワタナベが屈したとも言えます」  フラッシュクラッシュは証拠金が吹っ飛ぶだけではなく、証拠金を上回る損失が発生するケースも。今回はFX会社の未収金は過去3番目の規模に及ぶ。西原氏によれば、この大惨事がGWに再来するかもしれないという。 「実は昨年から今年のGWを、私は警戒していました。関係者内ではGWに何かが起こるのではないかと大きな関心があったのです。でも逆説的に考えれば、年末年始は1月4日(金)を休めば9連休だったわけです。GWに目が惹きつけられていた。意表を突かれた形ですね。 さすがに今回の暴落で、個人投資家は、今年のGWをかなり注意しているので発生確率は下がっています。でも依然として可能性は高い。特に今年は円高ドル安が予想されます。警戒は怠らないでください」  それでは前代未聞のGW10連休を前に、個人投資家にできる備えはあるのだろうか。 「ロスカットを防ぐには、レバレッジを低く設定すること。最高の25倍にしていると、外貨が数パーセント下落しただけでロスカットになることもあります。また連休前には決済しポジションを持たないことも自衛策としては有効です」  大荒れの相場が懸念される今年。長期のバカンスを満喫中に、全財産がすっからかんという事態だけは避けたいものだ。 【西原宏一氏】 CKキャピタル代表取締役。シティバンク為替部門チーフトレーダーなどを歴任。海外のヘッジファンドに独自の情報網を持つ 取材・文/野中ツトム、村田孔明(清談社) ― GW(ゴールデンウィーク)にドル円は大暴落する ―
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