恋愛・結婚

学生アシスタントに彼女を奪われた30男の叫び「玄関を開けたら2人が…!」

大学生のアシスタントと彼女の様子がおかしい

 そんなある日、悲劇が起こる。N君に雑務を任せて取材に出かけていたが、先方との用事が急にキャンセルになり、予定より早い帰宅になったという。しかし、玄関を開けて目を疑った。 「僕の急な帰宅に驚いて、慌てて服を着ているE美とN君を見てしまって……思わずいったん玄関を閉めてしまいました」  ふたりがコトに及んでいたことは間違いない。呼吸を整えて、もう1度ゆっくり玄関を開ける吉崎さん。すると、服をきちんと着たうえで、N君が土下座していた。彼は「すみません!」と平謝りしているが、その一方でE美が「違うの、誘ったのは私なの!」と叫ぶ。 「ショックでしたが、なんか安っぽい漫画みたいだなと思っている冷静な自分もいましたね」 ネトラレ男 そして、別れを切り出すE美。 「私、あなたと別れてN君を支えたい……だってN君にはすごい才能があるから!」  その言葉を聞いて、ハッとしたそう。 「じつは、僕らが知り合った当初、E美には結構売れている漫画家の彼氏がいたんですが『吉崎さんの方が才能がある、好き!』と迫られて付き合うことになったんです」  当初は奪った側だった吉崎さんだが、今回は奪われる側の立場になってしまったわけだ。 「きっと、彼女はそうして次々に漫画家の男を乗り換えているのかもしれません。たとえN君と付き合っても、また才能を感じる男性が現れたらその人のもとへと走るんでしょうね。僕はもうついていけないなと思い決別しました」  吉崎さんは、彼女から自分の才能に見切りをつけられたことと、アシスタントに寝取られたことがボディブローのように効いてしまい、しばらく寝込むことになった。こうして漫画家人生で初めて締め切りを破ってしまったという。「当分、アシスタントも彼女もいらないですね……」とため息をつくのだった。<取材・文・イラスト/鈴木詩子> ― シリーズ・寝取られた男たち ―
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
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