更新日:2019年03月04日 14:55
仕事

年収400万円以下に激減する50代が続出、なぜ負け組に転落したのか?

高年齢者雇用安定法が40~50代を追い詰める

 その過酷な現実を人事ジャーナリストの溝上憲文氏はこう語る。 「40~50代の立場をさらに悲惨にしたのが、’13年に改正された高年齢者雇用安定法です。これにより60歳以降の解雇が難しくなり、使えない“ゾンビ社員”が大量に発生。その上、企業の目はすでに20代・30代に向いており、割を食うのは40~50代ばかり。 現在の転職エージェントバブルは、彼らの不満がいかに職場に渦巻いているかの証しです。東京オリンピック後は景気が悪化し、『人間関係は最悪で出世の見込みもない』という真の修羅場が訪れるでしょう」

ロスジェネ中年には、チャンスも逃げ場もない

 そこでたまらず無謀な転職や独立をすると、それこそ転落のきっかけになるのはアンケートの通り。 「転職でキャリアアップできる40OVERは2割未満。飛び出すにしても、会社のリソースを最大限に活用し、スキルや人脈を確保してからでないと厳しい」(溝上氏)  さらに前川氏はこう続ける。 「労働市場で40代に求められるのはマネジメント能力。しかし、今の40代は上が詰まってポストが空かず、マネジメントを学ぶ機会すら奪われている状態です。武器を持たずに漠然と転職・独立しても玉砕するだけです」  両者とも「今の50代が40代だった10年前と比べて労働環境ははるかに厳しい」と口を揃える。つまり、転落リスクには拍車がかかっているということだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート/エコンテ> 【前川孝雄氏】 FeelWorks代表取締役400社以上で「人が育つ現場」づくりを支援。著書に『もう、転職はさせない!一生働きたい職場のつくり方』(実業之日本社) 【溝上憲文氏】 人事ジャーナリスト多数のメディアで、経営・賃金、人事・雇用などをテーマに執筆。著書に『人事部はここを見ている!』(プレジデント社)など ― [負け組50代]の衝撃 ―
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