金持ちはどのように資産運用しているか? 庶民も学べる運用方法
ほぼ全員が銀行預金で持っていたり、約8割が株式投資をしているのは納得だとして、保険に入っていない人が4割ほどいたりFXや仮想通貨には目もくれないなど一般層とは少し違う志向が。
※週刊SPA!3月12日発売号「お金持ちの[資産ポートフォリオ]見せて!」特集より
VIP顧客とのやり取りを重ねるカブドットコム証券のストラテジスト、河合達憲氏は「金投資が少ないのも納得。富裕層は金の現物は手数料が高いことを知っているからです」と分析する。
「金の現物に投資するならば金ETFといった金価格に連動する金融商品を買う人が多いはずです。また、富裕層の人は株取引でもとにかく流動性のないものは手を出しませんね。急騰する株は小型株が多く、注文単位も100株、1000株単位だけど、富裕層は1万株単位で投資を考えるので。保険商品はおそらく積み立てタイプで、所得税控除の対象にして節税目的の人が多いのでしょう」
では、我々庶民はそんなお金持ちの姿勢から何を得るべきか。リスク資産での運用方法だけでなく、例えば全資産における預金の割合などにも学びはある。日本人は金融資産の半分以上を銀行に預金して“安心”する人が多いが、お金持ちはむしろ「銀行に預けすぎている」と危機感を覚える人が多い。
「運用資金が違うので、まだ資産を築けていない人が富裕層の資産運用をそのままマネするのはムリがありますが、情報収集の仕方などは大いに参考になると思います。彼らには情報が向こうから集まってくるのに対して、一般の人は自分で情報を求めないといけません。そこを埋めるのに勉強する必要があるわけです」(河合氏)
また、「お金のデザイン」の中村氏からはこのような指摘も。
「富裕層の人でも多くがiDeCo(個人型確定拠出年金)やつみたてNISA(少額投資非課税制度)をちゃんと活用しています。それは本当にいいものだと思っているから。そして、国がこういった個人での将来保障を推奨するのは、『将来の社会保障を削るしかないので自分で運用してください』というメッセージと捉えるべきでしょう。自分なりの方法で今から考えないといけません」
【中村仁氏】
野村證券勤務を経て’17年に「お金のデザイン」CEOに就任。個人が手軽に始められるロボアドバイザーサービスの普及に邁進する
【河合達憲氏】
カブドットコム証券、投資ストラテジスト。日本で数少ない証券専攻修士号のマスター称号を有し、マクロ分析から個別銘柄まで分析力には定評がある
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