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子どもにスマホを持たせるべきか?「小中学校への持ち込み禁止」見直しから考える

 ITジャーナリストの久原健司です。

 文部科学省は2月19日、小中学校へのスマートフォン持ち込みを原則禁止とした通知を見直す方向で検討を始めることを発表しました。この通知は2009年に都道府県教育委員会に対して出されたものです。

学生

校内のスマホ持ち込み、トラブルは起きない?


 内閣府の「平成29年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、満10歳から17歳までの青少年5,000人のうち、スマートフォンやそれに準ずるもの(子ども向け携帯電話も含む)を所有・利用している割合は72.1%。そのうち、小学生では55.5%、中学生では66.7%となっています。

 このように、いまや半数以上の小中学生がスマホを所有しているため、学校への持ち込みに関して再検討するのは当然でしょう。もし学校内へ持ち込みが可能になった場合、どのようなメリット・デメリットが考えられるでしょうか?

 まずメリットは、連絡手段がある点です。実際に、子どものスマホ使用に関してのメリットで最も多いのが「連絡手段」(43.7%)というデータもある通り、子にスマホを持たせる一番の理由は連絡手段であるからです。(親子のモバイル事情調査 参照)

 しかし同時に、不安に感じる親御さんも多いことでしょう。

 私も小学生の子どもを持つ親として、小中学生のスマホ所有に関しては不安を感じます。持たせなければならない目的がガラケーで事足りると判断すれば、スマホを子どもに与えることはないでしょう。

 不安要素の1つとして、子どもたちがスマホでどのようなコミュニケーションを取っているかわからないということがあると思います。これに関しては、友達同士でどのような会話がされているかを、親が把握していないのと同じです。

 しかしそれ以上に、TwitterやLINEをはじめとするSNSでのコミュニケーションでは、実際に口には出せないような過激な発言に対しても敷居が下がってしまい、ついつい強い言葉を発してしまう人がいて、それがより不安を募らせてしまうのではないでしょうか。

大阪府ではすでに持ち込みを認める


 小学校でのプログラミング教育が2020年度から必修化されることや、すでにタブレット端末活用実践を行う学校など、ITと教育は切っても切れない関係になっています。今回のスマホ持ち込みの件に関しても、1つの側面だけを見て良い悪いを判断することは非常に難しい状況であると考えます。

スマホ ちなみに、大阪府では、今年度から府内の公立小中学校への携帯電話やスマートフォンの持ち込みを認めることにしています。2018年6月に発生した大阪北部地震は登校時間帯に重なり、女子児童が倒れたブロック塀の下敷きになって死亡した事件の際に、児童・生徒がスマホなどを持っていなかったために保護者や学校側と連絡が取れない状況が多数発生しました。

 このことを機に府は、登下校中の災害時などに子どもと保護者の連絡手段を確保できることを重視し、持ち込み禁止の方針を見直したのです。ただし、校内での使用は引き続き禁止で、持ち込みを許可するかどうかの判断は各学校に委ねられることにはなります。

 このように、災害時の連絡手段としては有用ということもあり、文科省は学校に持ち込む際のルールの必要性も含めて議論を進めるようです。

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ビル・ゲイツが子どもに持たせた年齢は

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