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負け組高学歴女子の告白「大手企業でパワハラされるなら、低所得でも好きな仕事がいい」

親に申し訳ないという気持ちが人生を無駄にした

「両親は私がいい大学に入って大手企業に就職したことを周りにも自慢していました。そのプレッシャーが会社を中々、辞められなかった一番の理由です。実際、もう限界となって、辞めることを伝えたときの父が見せた悲しそうな表情は、今も鮮明に思い浮かびます」  実際、会社を辞めてからも、父の悲しそうな背中を見るたびに心を痛めたという。そうした罪悪感から再就職先を探すが、なかなか上手くいかなかった。 「就職するまで、何かにつまづくということはありませんでした。でも、一度挫折を味わってからは、上手くいかないことばかりで……。本当、何のために大学までいったのか、わかりませんよ」  黒田さんの再就職はうまくいかず、社会人だった頃の貯金も底をつき始めた。追い詰められた彼女が取った選択が、「やりたいことをやる」だった。こうして、昔から子供が好きだったこともあり、27歳で保育士になろうと決意する。正社員雇用とはならず、非常勤として勤務する彼女の収入は、かつてとは雲泥の差となったが、今はやりがいを感じている。 「親の期待に応えていい大学に入りましたけど、正直無駄になりました。両親には悪いですけど、たとえ生活は苦しくても、今の方が生きている実感があります」  名門大学への入学から生じた自尊心と両親の期待。そんな誇大化したプレッシャーから解放された黒田さん。彼女は「いい大学に入れたからって、その後の人生がすべて幸せってわけではないんですよね」と、自らの人生を振り返り自嘲した。 <取材・文/慎虎俊>
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