お金

消費税10%に備えて「ムダ買い習慣をやめる」ためにすべきこと

 クルマや腕時計が好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですがご披露したいと思います。

斉藤由貴生

第15回「買う⇒楽しむ⇒売る」のワンセットが基本スタイル

 ストレス発散のために買い物する人や、気分を上げたいから衝動買いする人。どちらも「買う」という行為によって快感の脳内物質が出ているのだと思います。でも、モノを買ったその瞬間に満たされた魔法はとけてしまいます。ショッピングの後、家に帰っても買ったモノをすぐ開封しないことはありませんか? だって、買うことが目的なのですから、買った瞬間に目的は果たされているわけです。それじゃ悲しいですよね。  しかし「価値のあるモノ」を買うということは、単に買うだけではありません。「売れるかどうか」を見極めるのが重要なわけで、買うという行為の中にゲーム性を秘めているわけです。

飽きたら売れるモノを買うべき!

「買ったらハイ終わり!」じゃなくて、買う時に「売れるかどうか」を見極め、そしてしばらくして飽きた時に「売る」という最終作業が待っています。良いモノを買って、飽きたら買った値段と同じ額で売るという流れは、モノを買うという行為にゲーム性を追加しただけでなく、あなたの財布にも優しいという、いいことだらけでもあるのです。

自分以外の人も欲しいと思うモノを買うことの大切さ

 そもそも、買う時に「本当に価値のあるモノ」かどうかを見極めなくてはいけないので、買う行為の重みは増します。つまり、買う時に、ちゃんと考えられるようになります。考えるとしたら、置き場所や自分が同じようなモノを持っているか、自分を高められるか、などでしょう。売ることまで考える人はそんなにいないはずですから。  モノを売る企業は、消費者になるべく考えてもらいたくないので、考えなくてもいい環境を整えます。新商品が出たら店頭の目立つところに配置したり、とても人気商品であることを熱弁してくるわけです。そうなると、(勝手に)背中を押された気持ちになり、つい買ってしまうというわけです。  消費はたしかに難しい行為です。何が正しいのか、判断がつかないこともあり、失敗することもあります。だからこそ、見極め方を押さえておいてほしいのです。それは、至ってシンプル。あなた以外が高く買ってくれるようなモノを中心に買っていけばいいのです。  プレゼントを贈る場合においては、ある程度の機能性やデザインは店員さんに聞かないとわからないかもしれません。しかし、そういう場合って大抵は自分のためではなくて、他人のニーズで考えますよね。贈り物だって「価値あるモノ」を選びたいところですが、売れるかどうかを気にする必要はありません。ですから、この場合の「価値のあるモノ」は相手が喜んでくれるモノとなります。  ニュース番組でもたまに質屋さん特集をやっていますが、その番組を見れば高額査定に驚いている人たちの様子が明らかです。買った額より高く売れたと喜んでいるのが男性なら腕時計、女性ならブランドバッグがよくある例です。

高級腕時計ロレックス

 しかも、腕時計の場合、値崩れしないどころか平気で値上がりまでします。ネットや中古品を扱うお店では、中古でも数百万円レベルで売られているではありませんか。需要があるから高騰するのです。それだけ欲しい人がいる証明です。  買った時より高く売るというスタイルは、「投資」の基本です。正直、買った値段より高騰する商品は、実は腕時計以外ではそんなにないのも事実。なので、買った値段よりも下がるけど、いかに値下がり幅が小さい値段で売れるかが勝負になります。この「売る」という観点を重視してモノを買うということは、とても有効な消費スタイルなのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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