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新入社員がGW前に来なくなって…その理由に納得できる?

「将来は良い職人になると見込んだんですが、急にいなくなってしまって。田舎から、『立派な職人になりたい』と上京してきたのにな…」

悩み

写真はイメージです(以下同じ)

 これは、東京都にあるスーツの仕立屋の店長、山形博光さん(仮名・45歳)の嘆きだ。

 新入社員が辞めることを懸念する上司にとって、GWなど長い休みはドキドキなのである。

10年ぶりに採用した新入社員


 山形さんが店長をしている店舗は、去年10年ぶりに新入社員を雇うことになった。以前は紹介が優先だったが、公募も交えて書類選考、教養試験、そして面接の3ステップで行い、採用したのは北陸出身の手先が器用な、見た目が草食系の20歳の男子だった。

「寡黙な青年で、面接時から好印象でした。実際、勤務してからもとても熱心に働いていました。朝は誰よりも早く出社し、黙々と掃除をしていました。職人は教わるのではなく、見て学ぶということを肌で覚えているのは、彼の実家が婦人服を仕立てる洋品店だからでしょう」

モンスター新入社員 入社1週間目にオーナーが訪問したときも、新人の真面目な対応ぶりに満足していたという。

「久しぶりに新人を教え込むという意気込みが沸き、その夜はオーナーと一緒に教育プログラムの打合せに燃えたという。打ち合わせの結果、GW中の他アパレルショップの偵察にも、彼を同行させることになった。

「ところがGW前に出社しなくなったんです。僕が連絡しても音沙汰がない。途方に暮れてオーナーに連絡すると『すぐに家に行け』と言われました」

 そこで山形さんは仕事を中断して、彼が住んでいる足立区のアパートを訪ねた。大家に事情を話して合鍵で部屋に入ると、荷物はそのままだった。

「部屋はきれいに整理整頓され、彼の几帳面な性格を物語るものでした。携帯や財布など貴重品はなく、普通に外出しているといった感じで」

 数時間待っても戻って来なかったため、山形さんは新人の実家に電話を入れた。すると母親が出て、「息子は部屋にいます」と電話口で謝罪した。そして「息子に何度も会社に電話をするように勧めているんですが、部屋にこもったきりなんです」と途方に暮れていたのだ。

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休日返上に不満があった…

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