“今どきの若者”にイラッとしないための付き合い方
「今どきの若者は…」という嘆きは大昔からあるが、最近ではオトナたちからこんな声をよく聞く。「今の20代は、打たれ弱く指導しにくい」「何がモチベーションかわからない」「すぐ答えをほしがる」――。そして、接し方に悩んでいる管理職も多い。
しかし、若者が「悪い」のではなく、我々と「違う」だけなのだ。
「過度に若者に擦り寄る必要はないが、彼らのインサイトを知ることでマネジメントは楽になります」。
そう語るのは元・リクルートの求人情報誌編集長で、現在はツナグ働き方研究所の所長を務める平賀充記氏だ。
平賀氏は、『なぜ最近の若者は突然辞めるのか』(2019年6月)で若者の特徴を20のキーワードに整理している。代表的なものをいくつか解説してもらった。(以下、「 」の発言は平賀氏)
「彼らは周囲から自分がどう見えているかをひどく気にしています。SNSでは自分の投稿に『いいね!』がつくと嬉しいし、スルーされれば不安になるし、炎上するのは怖い。その意識は職場にも持ち込まれます」
オトナだって人の目は気になるが、具体的にはどこが違うのだろうか。
「上司に何か報告したとき、『ああ』とか『おお』くらいの返事しかしないと、若者にとっては既読スルー状態。実は、何か自分がいけないことをしたのかと気にしていたりします。それから表彰されたりするのも苦手。変に目立つと炎上リスクがあるので、“プチバズ”くらいの控えめな感じがいいらしい」
自意識過剰に思えるが、SNSによって自意識が膨らんだ結果だという。
若者と働くうえで見逃せないのは、意味づけに対するこだわりだと平賀氏は言う。
「まず“理不尽”に対するアレルギーが非常に強い。SNSで年齢や肩書きに縛られないヨコのつながりに慣れている若者は、上下関係やタテ社会に馴染みません。仕事でもお互いフラットに協力する“プロジェクト型”を志向していて、上司にも機能分担を求めます。上司や先輩の指示にとにかく食らいついてきた世代とは異なる価値観です」
たしかに、昔は理不尽なことでも「仕事だから」で飲み込んでいたところがある。むしろそれがオトナであると思っていた節さえある。ところが今の若者は「それ意味あるんですか?」と聞いてくる。
平賀氏は、不景気とデフレの中で育った若者にとってそれは必然だと言う。
「オトナが理不尽に耐えられるのは、出世やボーナスなど、耐えた先にリターンを得られた体験があるからです。でも今はそうではなく、効率や生産性を高めないと会社は儲からない。SNSでもそんな会社が輝いて見える。だから若者は目の前の合理性や意味を求めます。いわば“モクテキ原理主義”です」
#プチバズる…認められたいけど悪目立ちしたくない心理
#モクテキ原理主義…意味づけが何より大事
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