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履いたブーツを返品してくる20代女性客、要求を呑んだ店長の真意は?

「ブーツを買った20代の女性が商品を返品してきたんですが、明らかに履いた形跡がありました。非常識だと驚きましたが、その時の店長の対応に、接客とはなんぞやというスタンスを強く感じることができました」と語るシューズショップ店員の前川保志さん(仮名・35歳)。

履いた形跡のあるブーツを「返品したい」という客


 JRに隣接している駅ビルの中の靴屋に、女性客がやってきた。3日前に買った1万5000円のブーツを返品したいと言う。

モンスター客

写真はイメージです(以下同じ)

「返品の理由は、『他の店で似たようなブーツが売っていて、そちらの方が安かったからコレ返品します!』って。正直に言えばいいってもんじゃないのに、やれやれと心の中でため息をつきながら、返品されたブーツを見てびっくりしました」

 靴底に汚れがこびりついていることから、明らかに何回か履いていると分かったのだ。前川さんは「ちょっとお待ちください」と女性客に断り、ブーツを持って50代の店長の元へ。

「店長は『お客様が言うことが全てだから、返品を受けなさい』とレジからお金を取り出して僕に渡しました。明らかに嘘をついている客に、なぜだろうという疑問が生じたんです」

 そこで前川さんは、休憩時間に店長に尋ねると、次のような答えが返ってきたのだという。

「そんな客は放っておいていいよ。こちらが拒否したら、ひょっとして店内で騒ぐかもしれない。そうなると周囲の他のお客さんも不愉快になって帰るかも。店を通ったお客さんも、騒いでいる客を見たら足が遠のいてしまうだろう」

 とはいえ、理不尽な要求をすべて受け入れる必要があるのか。前川さんも「店長は店のイメージを損なわないために、何度か履いて汚れている靴の返品を受けつけたってことですか?」と尋ねたそうだ。すると店長はこう言った。

「今日は常連さんも何人かいた。だから、あの人たちのためにも返品を受け付けたんだよ」

 だが前川さんは店長の答えに釈然としなかった。

「いくら常連が周りにいても、毅然とした対応を取るべきです」

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店長の真意とは?

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