お金

5万円のフェラガモの靴を、中1から17年履き続けた結果

 腕時計もクルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。  私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

斉藤由貴生

第18回 新品は数年レベルで使えるモノを買って元を取る

 フェラガモの靴というと、ルイ・ヴィトンのバッグやロレックスの腕時計のように、靴の高級品の代名詞として有名です。フェラガモのブティックが入っているのはデパートの高級品売り場で、ふらっと靴を買うのには若干入りづらい店構え。  そういう高級な靴の代名詞的な存在であるフェラガモ。私が初めて手に入れたのは中学1年生の時です。時計や車と違って、フェラガモの靴は新品で入手したという点と、祖母に買ってもらったという点が異なります。  なぜ、当時私がフェラガモの靴を手に入れたかというと、正直に言うと、ボンボンの同級生が多いクラスのみんなに見栄を張りたかったからです。家計は火の車でしたが、無理にねだれば買ってくれました。30万円する腕時計は買ってくれませんでしたが、フェラガモの靴は5万円ほど。入学式の時に買うようなちょっといい革靴でも2万円ぐらいするので、許容範囲だったのかもしれません。

写真はイメージです

 とはいえ、当時私が通っていた中学校にはフェラガモをわかる生意気な生徒が多々いたので、すぐにフェラガモの靴はツッコミの対象となりました。「フェラガモなんて学校に履いてくるなよ」「おまえにフェラガモは似合わない」というヤジに対しては、私も反論したいことがあったのです。それは、「おまえらが履いているハルタのローファー、3カ月に1回ぐらいのペースで新品買ってて、相当無駄遣いしてるじゃねえか」ということ。  学生の靴の代名詞、ハルタのローファーは今も昔も新品で5000円ほど。仮に3カ月に1回買い替えた場合、中学を卒業するまでに彼が買ったハルタの靴は総額6万円になります。だから私は、同じ額だったらフェラガモの靴のほうがいいな、と当時から計算していたわけです。  実際、ハルタのローファーは頑丈なので、3カ月でダメにしてしまう奴は少数派でしょうが、それでも1年に1回ぐらい買い替える人がほとんどなのではないでしょうか。1年に1回ハルタの靴を買ったならば、中学卒業までに靴に費やした額は1万5000円。この場合はフェラガモの靴を買うほうが高くつきます。  しかし、私は中学卒業までどころか、中学1年生から17年経った今に至るまで同じフェラガモの靴を履き続けているのです。元を取るどころじゃないレベルだと思いませんか。
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週3日のローテーションで17年間。いまだ現役のフェラガモの靴
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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