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家族4人、都内で月10万円以下の暮らし「昼飯はご飯に15円の納豆」

都営住宅の面倒くさい一面「インターフォンがない」

 自宅は山の手にあり、近くに川が流れ、歩いて数分の所には高級住宅街があった。最寄り駅までは徒歩13分。周りは静かで治安も良さそうだ。  大石が都営住宅に引っ越ししてすぐ、筆者は訪れることにした。都営住宅は小学校時代、友達が住んでいたので遊びに行ったことがあるが、それ以来だった。  前述の節約生活も驚きだが、そこで都営住宅の少し面倒くさい一面を見ることになった。  まず、部屋は1階にあり、インターフォンを押そうとするがない。なんでないのだろうか。筆者は仕方ないのでノックをすると大石が出てきた。開口一番にインターフォンがないことを尋ねてみる。初めて知ったが、都営住宅の決まりらしく、前の住民は引っ越す時にインターフォン、クーラー、換気扇などを全部取り外して出ていかなければならないようだ。
換気扇

もともと換気扇は付いてなかった

 要するに初期投資が必要だが、家賃2万5000円だから文句は言えない。その後、彼はカメラ付きインターフォンを7000円で購入し、クーラーを二台ネットで買ったが、電力制限が決められているのでクーラーを2台同時にはつけられない。クーラーと電子レンジの組み合わせも危ない。同時に使うと、ブレーカーが落ちてしまうこともあるようだ。非常に不便。
台所

台所の下には隙間が空いていて外気が入る

 さらにトイレの便座は外されており、風呂場の床はコンクリートなので木の台が置いてあった。台所の外は通路になっているのだが、下の部分に少し隙間があり、風が入ってくる。冬になれば冷たい空気が入ってくるし、ネズミが侵入する恐れがある。普通の賃貸や分譲住宅では考えられないような手抜き工事が目立つのに驚いた。  ただ、幸せな大石一家はそんなことを気にしていないに違いない。<取材・文・撮影/浜カツトシ>
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