更新日:2023年04月13日 01:27
エンタメ

若手劇作家・根本宗子が各界から熱い注目を集める理由

自分に起きたことはすぐ台本に書きたい

――根本さんは’09年に月刊「根本宗子」を旗揚げして、’12年ごろから毎月のように舞台を上演していました。驚異的なペースですが、そもそも芝居を書くモチベーションを教えてください。 根本:劇作家のタイプは大きく分けて2種類あると思います。一つは自分の書きたいことに俳優をはめていく人。もう一つは俳優ありきで物語を作る人。私は後者で、俳優との距離が他の作家よりも近い。まず、興味のある人がどういう人間なのかをリサーチした上で書きます。「言える範囲で、最近あったイヤなこと、テンションが上がったことを教えて」などと質問しながら。これは旗揚げから変わっていません。あとは、ファミレスやスーパー銭湯にいる時間が長いので、そこでの女子の会話などを参考にすることもあります。 ――それにしても多作です。ネタが枯渇することはないのですか? 根本:モチーフとなる出来事を何年か寝かせて、じっくり自分の中で熟成させてから書く作家さんもいらっしゃると思います。でも、私には自分の身に起きたこと、考えたことを寝かせてから書く感覚がない。すぐに出したい。そういう性格だから、これまでやってこられたのだと思います。スピード感を大事にしているし、モチベーションでもある。よく知り合いに言われるのは、「芝居を観れば、今のねもしゅーがどんな状態であるかわかる」と。フィクションであると同時に、ある種のドキュメンタリーなんです。 ※7/30発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【根本宗子】 ’89年、東京都生まれ。’09年に演劇ユニット・月刊「根本宗子」を旗揚げし、全作品で作・演出・出演を担う。圧倒的な舞台本数を打つ傍ら、舞台の客演、映画監督、ラジオパーソナリティを務めることも。上演台本が第60・63回岸田國士戯曲賞最終候補に。 取材・文/横山由希路 撮影・ヘアメイク/Masayo 撮影協力/新宿「Bar K」
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週刊SPA!8/6号(7/30発売)

表紙の人/ TIF選抜

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