更新日:2023年04月18日 10:54
スポーツ

プロ野球選手、甲子園時代の活躍列伝。ソフトバンク今宮は154kmを投げた

平田良介(中日ドラゴンズ)


 昨シーズンはセ・リーグ3位で自己最高となる打率3割2分9厘をマークし、中日の核弾頭として活躍。今では中距離ヒッターのイメージが強い平田だが、大阪桐蔭時代の3年夏に出場した’05年第87回大会ではとてつもない大記録を打ち立てている。  準々決勝の東北(宮城)戦でのこと。第1打席&第2打席で連続ソロを放つと、3-4で迎えた7回裏の第4打席では1死三塁から、なんとバックスクリーン右にぶち込む特大の逆転弾。かつて清原和博だけしか達成者のなかった夏の甲子園で1試合3本塁打という大記録に並んだのである。  実は平田は第3打席でもライトフェンス直撃の二塁打を放っているのだが、もしこれが入っていれば、史上初の1試合4発の大快挙達成となっていた。とはいえ、清原の時代はラッキーゾーンがあったため、史上初の“スタンドイン3本”を記録。結局、5試合で22打数9安打11打点、打率4割9厘、本塁打4本。準決勝で敗退したものの、チームのベスト4進出の立役者となったのである。

山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)

山田哲人

画像:東京ヤクルトスワローズ公式サイト

 昨シーズン、自身3度目となるトリプルスリーを達成した山田は’10年、高3最後の夏となる第92回大会に履正社(大阪)の3番・ショートで出場。わずか2試合で甲子園を去ったが、その2試合でのちのトリプルスリープレイヤー誕生を予感させる活躍を見せていた。  まず、初戦の天理(奈良)戦では3打数2安打1四球。放った2本のヒットはいずれも火を噴くようなライナー性の当たりであった。さらに2-0とリードしていた5回裏2死一、三塁の場面で三塁走者だった山田はなんと本盗を決めているのである。  続く聖光学院(福島)戦は2-5で敗退したものの、3打数2安打1四球2打点。中でも0-2と劣勢だった6回表には「狙って打った」という相手投手・歳内宏明(阪神)のストレートを豪快に振り抜き、左翼席へ飛び込む同点2ランを放つなど、ここぞというときの勝負強さを見せつけたのだった。  いかがだっただろうか。どの選手もみな甲子園で輝きを放っていたのである。とはいえ、実は今宮が投手で150km以上をマークし、平田は大砲だったというような意外な事実に驚かれた人もいるのでは? 今回は野手編だったが、機会があれば投手編もお届けしたいと思う。<文/上杉純也>
1
2
おすすめ記事