N国・立花党首はなぜマツコを標的にしたのか? 上杉隆幹事長が明かす裏側
タレントのマツコ・デラックスさんが、TOKYO MXの『5時に夢中!』で、国政政党「NHKから国民を守る党」について「今のままじゃね、ただキモチ悪い人たち」などと発言したことを受け、N国党の党首を務める立花孝志参院議員が、生放送中にテレビ局に乗り込んだことが大きな物議を醸している。
この日、TOKYO MXに駆けつけた立花氏は、マイク片手に「公共電波を使った政治介入」と痛烈批判。放送終了後も1時間ほどマツコさんを「出待ち」したものの直談判が叶わなかったため、詰めかけた報道陣を前に「もし来週、マツコさんが(番組に)出るようだったら、また来ます」と“長期戦”を宣言した……。
先の参院選で一大旋風を巻き起こして以降、連日多くのメディアを賑わせているN国党だが、ここまで、よくも悪くも立花氏によるサプライズな「炎上戦略」が奏功していると言っても差し支えないだろう。北方領土を巡る「戦争発言」で糾弾決議を受けた丸山穂高衆院議員を“一本釣り”でN国党入りさせたのを皮切りに、みんなの党の「創業者」であった渡辺喜美元行革担当相を引き込むかたちで統一会派を結成。
そして、極めつきのサプライズが、ジャーナリストとして活躍後、’16年の都知事選や今年の中央区長選にも出馬経験のある上杉隆氏の党幹事長職への抜擢だ。果たして、N国党はどこに向かっていくのか? 今回、憲政史上初めて国政政党の要である幹事長職に「民間人」として起用された上杉氏を直撃した。
――立花党首から声がかかったのはどういう経緯からか。
上杉:そもそも、立花党首との繫がりは16年前まで遡ります。私は「NHK問題」が社会でクローズアップされるずっと以前から、ジャーナリストとしてこの問題に取り組んできました。当時、強権的な経営で拡大路線をひた走っていた「エビジョンイル」こと、海老沢勝二元会長にも直撃インタビューを試みましたが、予算の国会承認が必要なこともあり、NHKが政治との距離が近すぎて、きちんとした報道ができなくなっているのではないか? という疑義を『文藝春秋』などの雑誌で追及していたのです。
立花党首は、そんなNHKで独裁体制を敷いていた海老沢会長の経理担当の側近として「裏金」を担当していたが、義憤に駆られた彼は「内部告発」を行い、結果、NHKを追われることになった……。
今、彼は「NHKをぶっ壊す!」と言っていますが、私には「本来あるべき姿に戻ってほしい」という彼の“NHK愛”にしか感じられません。私自身もNHKが健全に機能するようになったらその放送文化は社会に資すると考えており、そこは完全に一致している。ちなみに、私はちゃんと受信料を払ってますが……。
受益者負担の原則に則った放送の「スクランブル化」は私の改革案の一つでもあるが、NHKがお手本としている英国公共放送BBCは、一部民営化を進めるなど改革を行っており、政治の圧力がかからないような仕組みをつくり上げた。ワンフレーズだけでなく、いろいろなアプローチでNHK改革は十分可能だと思っている。
――幹事長のもっとも重要な仕事は「党勢拡大」に努めることだが、すでに、丸山、渡辺両議員を取り込むなど勢いづいている。
上杉:N国入りを要請する「12人の議員リスト」が話題になりましたが、あれを作ったのは私です。リストは当然、極秘扱いですが、ある日、リストにあった議員から私に「テレビで自分の名前が出ているがどうなっているんだ!」と電話が入った。
誰が漏らしたんだ?と驚いてテレビをつけたら、立花氏がリスト片手に生解説していました……。ただ、何も隠そうとしない彼のイノセントでフルオープンな姿勢は、永田町ではある意味「強み」になると思っています。
彼と私が渡辺喜美参院議員に会ってN国党への合流を打診したときも、渡辺氏と僕の2人が戦後レジームについて延々と議論を交わし盛り上がったところで、渡辺氏が『で、キミはどうなんだ?』と立花氏に話を振ると、「20分間ずっと2人の話を聞いてましたが、正直一文字もわかりませんでした」と答えた(苦笑)。合流話は物別れになりそうになったのですが、最後は渡辺氏が「これまで多くの人に会ったが、あなたほど正直な人はいない」と信頼関係が生まれたのです。
――「バカ正直」ということか?
上杉:8月15日に行われた全国戦没者追悼式も私と2人で参加することになっていたのですが、立花氏は「今日は僕、誕生日なんでお休みします」と式には出ず、後に靖国神社で落ち合ったときにはカノジョと手を繫いで現れた。しかも、初めて訪れたという靖国での第一声は「神社というよりお寺っぽい。お寺のほうがいいんじゃないの……」。
一見すると不遜な振る舞いと受け取られかねませんが、思ったことは包み隠さず話し、何でもフルオープンにしてしまう人なのです。政治資金についてもすべてユーチューブで公開しており、これに引っ張られて、丸山議員は議員特権の使い放題航空券を、僕はN国党とのコンサルタント契約をフルオープンで出しています(笑)。

近い将来NHKが吹っ飛ぶような「爆弾」を炸裂させます
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