更新日:2023年04月18日 11:00
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N国党の奇行と異常性。そこに渡辺喜美らが群がるきな臭さ/古谷経衡

まるで敗残兵の梁山泊、N国党の奇行と異常性

NHKから国民を守る党

「政治は数」と公言し、主義・主張に関係なく、なりふり構わず議員を集めている。その行動に、投票したことを後悔する声も上がり始めた(画像はHPより)

 NHKから国民を守る党(以下N国党)の異常性がいよいよ明らかになりつつある。8月12日、N国党を批判・揶揄したとされるマツコ・デラックス氏が出演するTOKYO MX(東京メトロポリタンテレビジョン)『5時に夢中!』の生放送中のスタジオ前に同党党首・立花孝志氏が突撃。 「マツコ・デラックスをぶっ壊す」など約1時間にわたって奇声を上げ、その模様を動画で配信するなどの異常行動に及び、一時現場は騒然となった。立花氏は歴とした参議院議員であり、私人の発言を公人である参議院議員が直接、テレビ局の生放送中にスタジオ越しに「襲撃」して封殺しようとするなど前代未聞の珍事件であり、国会議員による明白な言論弾圧である。  日本国憲法第21条が保障する表現の自由を公権力が侵害する由々しき行動であり、断固として糾弾の声明を発する。はっきり言って異常を通り越して蛮行の類いである。  N国党が先の参議院選挙で1議席を取ると、マスメディア各局は面白がって立花氏を次々にテレビ局に招へいし、「NHKのスクランブル化の是非」「NHK受信契約は義務だが支払いは義務ではない」などと最高裁が’17年に下した判決「放送法第64条合憲判決-受信機設置者はNHKとの契約と受信料支払いの義務を有す」を無視した荒唐無稽な珍説を報じる場を提供したが、いい加減今回のMX襲撃事件で、各局もこの党の奇行と異常性が骨身にしみたことであろう。  N国党の奇々怪々な動きはそれだけではない。この襲撃の前日にあたる11日、ジャーナリストの上杉隆氏がN国党の幹事長に就任したことが報じられた。上杉氏は、’19年4月の統一地方選で東京都中央区長選挙に立候補したが、無所属の山本泰人氏にダブルスコアの差で敗れ去った。  上杉氏はMXとは因縁があり、’16年の東京都知事選挙に立候補した際に当時氏が司会を務める冠番組をめぐって局側と対立。降板劇に発展している。今次の立花党首による「MX襲撃」にも何かきなくさい背後を感じてしまうのは私だけだろうか。
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すべてのメディアからはみ出した人たちが「N国党」に集結!?
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(ふるやつねひら)1982年生まれ。作家/評論家/令和政治社会問題研究所所長。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科卒。20代後半からネトウヨ陣営の気鋭の論客として執筆活動を展開したが、やがて保守論壇のムラ体質や年功序列に愛想を尽かし、現在は距離を置いている。『愛国商売』(小学館)、『左翼も右翼もウソばかり』(新潮社)、『ネット右翼の終わり ヘイトスピーチはなぜ無くならないのか』(晶文社)など、著書多数

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