西荻窪にある“唯一のラブホテル”の存在感/文筆家・古谷経衡
―[独りラブホ考現学]―
独りラブホ考現学/第14回
中央線沿線はラブホテルの巨大な空白地帯であることは、すでに本連載第10回「ラブホ不毛地帯の中央線沿線、唯一の希望は阿佐ヶ谷にあった」で示したとおりである。
その理由をもう一度復習すると、この地域は戦前から都心至便の住宅地として、駅前の宅地化が盛んにおこなわれていた事。しかし、戦時中に米軍の爆撃をほとんど受けておらず、非戦災地域として狭隘な路地と住宅街が複雑高度に入り組む地形がそのまま戦後の高度成長期にスライドした事。要するに、この地域には戦前からの高密度な住宅地が重層した結果、ラブホテルの入り込む余地が無かったのである。
ラブホ空白地帯にひっそりと佇む
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