更新日:2019年09月07日 17:47
仕事

サイボウズが副業を真っ先に解禁した理由。社員や会社のメリットとは?

パソコン教室経営やカレー屋を複業する社員も

 もちろん、こうした経験ができたのはサイボウズが副業に寛容だからだ。同社では「100人いれば100通りの働き方がある」という考え方があるという。 「例えばある女性社員は、複業として出版社で書籍の編集をしていたり、シニア社員の中には地元への地域貢献のためにパソコン教室を経営する人がいますね。なかには複業でカレー屋をやっていた社員が独立したケースもありますよ」  藤村氏は今年に入り、著書『「未来のチーム」の作り方』を出版。自身が編集長を務めるオウンドメディア「サイボウズ式」で培われたチームビルディングのノウハウや、複業を通じて自己成長に繋げる方法など、実体験を書き連ねている。そういった活動が可能なのも、社員に「個人の自立」を求めるサイボウズ独自の企業カルチャーがあるからだ。 「副社長の山田理は、新入社員に対して『早くサイボウズを辞められるように』と話すのですが、これは会社に依存せずに自立して、自分の市場価値を創出してほしいという意味から。自立した多種多様な個人が集まったチームが社内にできれば、会社にもメリットが大きいと考えているんです」  副業(複業)は組織にも大きなメリットを生む。単なる「個人の生き残り策」ではなく、企業側にも副業人材の活用が普及すれば、もっと広い意味で副業が当たり前になる時代が到来しそうだ。 【藤村能光氏】 「サイボウズ式」編集長の傍ら、複業としてタオルブランドのオウンドメディア運営支援などに携わる。メディア運営に関する講演も多数行う
1
2
《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

「サイボウズ式」が次々とヒットを生み出す裏にはチームワークがあった。新しい働き方を追求する次世代型チームづくりの秘訣を伝授する。1620円(扶桑社刊)

おすすめ記事