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『凪のお暇』原作者が語る、空気を読みすぎるあなたへ

 他人に嫌われないよう常に周りの空気を読んで暮らしていたOL・大島凪が、元カレの一言をきっかけに過呼吸でダウン。すべてを断ち切り郊外でリセット生活を始める漫画『凪のお暇』。  多くの人の共感を集め、現在、実写化ドラマも放送中だが、周囲の環境に過剰適応してストレスを溜め込み、“突然うつ”で心が折れる人の心情を見事に描いた作品とも言える。そこで作者のコナリミサト氏に、物語が生まれた背景と、ストレス多きSPA!世代への“お暇のススメ”を語ってもらった。
凪のお暇

職場の理不尽な扱いにもつい応じてしまう凪

お暇をもらうことの大切さを身をもって体験しました

――当初から「空気を読むことに疲れてしまった主人公」の漫画を描こうと思っていたのですか? コナリ:最初は節約漫画が描きたくて、都会からドロップアウトした女のコを主人公にしようと設定を考えた結果、こうなりました。正直こんなに共感してもらえるとは思っていなくて、皆さん息苦しい思いをしているんだな、と。 ――コナリさんご自身は、メンタルに限界がきて“お暇”を取ったことはありますか? コナリ:まさに今年の初めに、漫画のプレッシャーなどの要因が重なって、担当編集者さんに「もうヤバいです!」と思い切って相談しました。そこですぐに対応して休みをもらえたのが嬉しかったし、おかげで信頼関係も深まりましたね。定期的に休みを取れることになって、「この休みまでは頑張る!」というメリハリのある目標ができたのもよかったと思います。 ――それからは、疲れやストレスを察知したら、早めに対処するようになりましたか? コナリ:そうですね。私の場合は、十分な睡眠と入浴、サウナかお酒、あとはSNS断ちですね。SNSって、自分とは直接関係ないことでも、炎上させている人とさせられている人が可視化されるので、「こういうことで怒ったり悲しむ人もいるんだ」「私も誰かを傷つけているかも」と無用のしんどさを抱え込んじゃうツールだと思うんです。疲れているときは、離れたほうがいいと思います。
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男性のプライドは弱音の感情を認めたがらない
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