カジノ、パチンコ、公営競技……ギャンブル業界のビッグニュースを振り返る
POKKA吉田&木曽崇のギャンブル放談<2019年末特別編2>
ぱちんこジャーナリスト・POKKA吉田氏とカジノ研究家の木曽崇氏がギャンブルをキーワードに言いたい放題しゃべりまくり、斬りまくる『POKKA吉田&木曽崇のギャンブル放談』。今回は共著『パチンコ滅亡論』を刊行したパチンコライターの“大崎一万発氏&ヒロシ・ヤング”の両人をお迎えして、’19年に起きたギャンブルにまつわるニュースを振り返ってもらった。
――’19年もお疲れさまでした。皆さんにとって、今年印象的だった出来事は何でしょうか?
ヒロシ・ヤング:俺は月並みだけど、パチスロ6号機とパチンコ新基準機の本格稼働かな。去年から市場に出だして、’18年の「HEY!鏡」に続き、’19年は「リゼロ(Re:ゼロから始める異世界生活)」と、大都技研の6号機が導入率でも設置台数でも健闘したけど、そのほかにはとくにパッとする機械もなくて、業界の空気がどんよりしたのは今年じゃん。
大崎一万発:6号機のラインナップがだいぶ揃ってきたけど、思いのほか期待はずれやった。本当に5号機の初期を彷彿とさせるというか、「こんなんじゃもうパチスロ無理じゃん!」みたいな空気感はあったね。
POKKA吉田:5号機の初期もさんざん文句言われたものの、解釈基準の緩和でだいぶ市場規模を拡大していって、高射幸機になった経緯を考えると、6号機に関してもいずれ改善されるやろうとは思う。けど、旧規則機の設置可能期限が一部僅かな例外はあるけど最長でも’21年1月31日までという短い猶予期間を考えると、それまでに多くのパチンコ店は潰れてしまうよね。
ヒロシ・ヤング:そこが5号機のときの危機感と大きく違うところだなぁ。
大崎一万発:俺は、7月の参議院選に自民党から尾立源幸氏が出馬した一件がいちばん大きかったと思う。パチンコの業界人もエンドユーザーも、政治にいっさい興味なかったような層が、政治と業界の関係性みたいなところに目を向けたっていうことだけでも、すごく意義があったよ。これきっかけで初めて選挙に行ったっていう人も結構おったしね。
POKKA吉田:落選したけど9万票は獲ったんで、自民党としても切って捨てられる票数じゃないし。尾立さんの件については、大崎さんかなり熱心やったよね。
大崎一万発:パチンコ業界として議員を支援する意義はPOKKAさんからずっと聞いてたし、自分なりの考えもあってこれは必要なことやとは感じてたけど、尾立さんの立候補に際して、パチンコのエンドユーザーへの説明がなにもなかった。だから最初は、「何の説明も無しに乗れるかバカ!」って姿勢やった。
ヒロシ・ヤング:エンドユーザーが置いてけぼりになってるのは、俺もすごい気になってたわ。
POKKA吉田:大崎さんがそういった心中をツイッターで呟いてるのを尾立さんサイドが見てて、「ちゃんと説明したいから会わせてくれ」って俺に問い合わせが来て、すぐに会うことになった。後日、大崎さん一日ぶっ通しで尾立議員のこと呟きまくってたもんな。俺も、居ても立ってもいられなくなって書かないかん原稿を投げてツイッターで連投したの。あの瞬間から一蓮托生みたいになったよね(笑)。
大崎一万発:政治が業界に立ち入ることにはこういう意味がある、こういうことを考えているっていうことを直々に説明してもろて、納得いったから、これは推さなアカンと思いましたよ。
ヒロシ・ヤング:ただ、やっぱり呼びつけるのはユーチューバーとか他の人のほうが影響力あったんちゃう?
大崎一万発:兎味ペロリナが「ぴょー!」ってやったら、もしかしたらあと2万票ぐらいのっかったかもしらん(笑)。
――カジノ・IR関連でも大きな動きがいくつか動きがありましたね。8月には横浜市がIRの誘致を正式に発表しました。
ヒロシ・ヤング:ようわからんけど、林文子市長は、選挙の際は、「IRは白紙」を掲げていたでしょ。なのに、市長当選後に主張を転じたってこと?
木曽崇:いや、もともとはIR誘致はやらなきゃいけないと思っていたけど選挙のときには言えなくて、当選したらいよいよやらざるを得なくたったという話なんだけどね。勿論、そこに批判は多いんだけど、一方で今の林市長を見てて偉いなと思うのは、横浜市内でIRに関する説明会をご本人がずっとやってんのよ。市長自らフロントに出て質疑応答をやってるのは、他の地域の首長だとまずないね。それはたぶん、「IRは白紙」を撤回することについては、やらかしたなっていう自覚があるんでしょう。まぁ、反対派が今頑張ってリコール運動やってるので、どうなるかはわからんけどね。
大崎一万発:山本太郎が最近横浜へのIR誘致に反対を掲げてますしね。ところで、木曽さん的なギャンブル業界のニュースは、やっぱりカジノ?
木曽崇:9月にIRに関する基本方針案が出たことは、やっぱり我々の業界にとってはすごく大きいね。
大崎一万発:方針が具体的に見えてきたっていうことですか?
木曽崇:そうですね。具体的には、’21年の1月から7月末までの間に申請期間を設定する案が出ていて、逆算すると日本でカジノが実現するのは’25年から’26年ぐらいになる見込みです。申請期間の前に、地方自治体が自分のパートナーとなるIR事業者を探す入札があります。それを経てタッグを組んでから国に申請し、国が地方自治体とIR事業者をセットで認定するという話なんですよ。最初は全国で最大3カ所指定をするという規定になっています。
ヒロシ・ヤング:北海道は、もうIR誘致活動から降りたんですか? パチンコメーカーの平和がゴルフ場の近くにオープンさせるって構想ありましたよね。
木曽崇:候補地だった北広島市の市長が反対を表明したので、平和と北広島市の線はなくなりました。なので、北海道は苫小牧市でほぼ決まりかと思われたんだけど、スケジュール上間に合わないということで、北海道知事が撤退宣言をしました。既存の観光資源も強くて注目されていただけに、北海道が降りたというのは大きなニュースでしたね。
大崎一万発:結局、何自治体ぐらい立候補しそうですか?
木曽崇:うーん。最大3か所とはいいつつ、結局そんなに数は出なさそう。5つも出たら素晴らしいぐらいだと思っています。国側が示している要件が、地方自治体の議会の賛同決議が必要というもので、結構ハードル高いんですよ。ただ行政がやりたいってだけじゃダメなんで。
ヒロシ・ヤング:住民の抵抗が強いのかな。雇用も創出できるし、地域振興みたいな名目だったら賛同を得られそうだけど。
木曽崇:言うても、地方の議員さんは票がとれる政策をやらなきゃいけないので。カジノで票は獲れないっていう話なんですよ。
PKOKKA吉田:先月、カジノ管理委員会の委員人事案も発表されたよね。これは国会同意人事で、国のお墨付きというのはデカいと思うよ。’20年1月7日に委員会発足予定で、いよいよカジノが動き出した感はあるな。
2019年ギャンブル業界のニュースを振り返る
カジノのスケジュールが具体化
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『パチンコ滅亡論』 パチンコはたいして勝てません。なぜこの一言をパチンコ業界は言えないのか… 依存症、釘、換金、広告規制、カジノ、客離れ…業界のご意見番の2人が余すことなく語り、容赦なく斬るパチンコ文化論。 パチンコジャーナリスト、カジノ研究家とのスペシャル対談も収録。 ![]() |
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