IR業界の大物(?)秋元司議員に疑惑の目
ヒロシ・ヤング:初鹿明博氏(パチンコチェーンストア協会の政治分野アドバイザー)が強制わいせつ容疑で書類送検された件はどう? 離党届も出したみたいだけど。
POKKA吉田:送検内容が事実なら、公職についたらアカンと思いますね。ただそれだけ。
木曽崇:カジノ業界では、秋元司衆院議員の事件の方が衝撃が大きいですね。
――日本へのIR参入を目指している中国企業の関係者が、海外から現金を不正に持ち込んだということで、秋元議員の秘書らの自宅が家宅捜索を受けて、秋元議員本人が逮捕されましたね。本人は一貫して否定していますが。
大崎一万発:カジノ業界では、秋元議員の存在はどのような位置づけなんですか? マスコミではえらい騒がれとるけど。
木曽崇:IR担当副大臣という肩書きは確かについてましたけど、正直いえば、日本のIR法制のなかでは、これまで中核にいた議員さんではないので、ここまで大きく扱われるのは意外でした。懸案の中国企業と議員をつないだエージェントは、業界のことがよくわかってなくて、肩書き上すごそうな秋元議員に目をつけたんだろうな、という印象です。中国企業と交流があったとされる’17年当時、「IR担当副大臣」というポストにはいたけれど、実は当時のカジノ法制論議は官邸側が仕切っていたし、あまり大きな影響力は発揮できなかったと思う。現実として、中国企業が参入を目指していた沖縄や北海道留寿都村のカジノ構想は一向に進まず、現在は候補地にすら上がっていませんから。
ヒロシ・ヤング:現状、外為法違反して持ち込まれたお金が、議員事務所に流れてたらアウトってこと?
木曽崇:もし数百万円が秋元事務所に流れたとなったら、政治資金規制法の定めるところの不記載ってことで終わる可能性もある。検察庁としてはそれを狙ってるわけではなくて、当然その先の贈収賄を狙っています。数百万円レベルで議員事務所にまで強制捜査が入るというのは、かなり異例ですからね。まぁ、これから何が出てくるかによると思います。僕としては、秋元議員の背後にそんな巨悪な権力構造があるとは思えないので、若干冷ややかに見てる部分はありますね。
――公営競技関連では何かありますか?
木曽崇:競馬の藤田菜七子騎手が活躍。デビュー以来、通算100勝を挙げましたね。
POKKA吉田:テレビを通じてしか見てないけど、歴代の女性ジョッキーのなかでは実力もルックスも飛び抜けてるね。あの武豊が「自分のデビューより上手い」って言うたんやから、相当なもんよ。
木曽崇:ああいうヒーロー・ヒロインというのは、我々の業界ではつねに必要ですよね。
POKKA吉田:JRAのジョッキーとか関係者は、みんな藤田菜七子のことを菜七子って呼ぶんだよね。仮に俺も中央競馬の関係者やったら、彼女のこと菜七子って呼べるわけやん。
ヒロシ・ヤング:「菜七子はさー」って言いたいわけ?
POKKA吉田:そういうの、ええなあって。
ヒロシ・ヤング:知らんがな、もう!
取材・文・構成/野中ツトム、松嶋千春(清談社)