3年使った変わり種ロレックス「ミルガウス」を6店舗で査定。値上がった?
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―
腕時計投資家の斉藤由貴生です。
3年ほど前、私は著書『もう新品は買うな!』の印税で高級腕時計を購入しました。その際選んだのは、ロレックスのミルガウスというモデル。私が買ったのは、116400という型番の黒文字盤ですが、3年前でも今でも、それほど目立ったモデルとは言えない存在感です。
なぜ私がそんな微妙な選択をしたのかというと、「あえて難易度の高い買い方をしたい」と思ったからです。せっかく本の印税で買うわけですから、腕時計ファンから見て「よくそれを選ぶな」という選択をしたほうが面白みがあるでしょう。
また、“人気モデルではない”ということから、ミルガウスの値動きは他のモデルと比べて地味。そのため、「買って⇒使って⇒高く売る」という難易度は高めです。ですから、腕時計投資家としてミルガウスを買うということは、芸があると思ったのです。
実際、私が買ったミルガウスは、購入してからしばらくの間、ほとんど値動きせず、1年後の段階でも大きく価格は変わりませんでした。もしも私がミルガウスではなく、人気の高いGMTマスター2などを買っていたならば、購入後1年ぐらいで20万円程度の上昇となっていたわけです。
しかし、ミルガウスを買った私には2つのシナリオがあったのです。
1つは、ミルガウスが再度人気モデルとなって、どんでん返しを見せるというシナリオ。もう1つは、ミルガウスのような微妙なモデルを買っても「買って⇒使って⇒高くなる」ということを実現するというシナリオです。
いずれも、実現するハードルが高そうですから、仮にそれが現実のものになったならば、ドラマがあると言えます。私は、こうしたことを実現してこそ、腕時計投資家としての面目躍如ではないかと考えたのです。
そして今、そのシナリオの1つが達成されたことをついに確認しました。それは、ミルガウスが買った値段より高く売れるという点です。
もちろん、この「高く売れる」というのは、私のテクニックを駆使したような売り方ではありません。どんな売り方かなのかというと、街中にある買取店に持っていき査定をしてもらったのです。
お店に持っていって査定してもらうことに特別な知識は必要ありません。ただし、注意しなければならないのは、1店舗だけではなく、いくつかの店舗に査定してもらうということ。夕方のニュースなどでも、よく主婦の方が実践していますが、いくつかのお店を巡ってもっとも高いお店に売るというのは売る際の基本です。
ちなみに、ミルガウスの購入方法についてですが、そちらについても、私は特別なテクニックはなにも使っていません。むしろ、買い方も「ビギナー向け」にこだわり、あえて有名店で購入。価格は54万8000円でしたが、当時の最安値ではなかったのです。
ということで、ミルガウスはいったいくらになったのかその全貌をお伝えしたいと思います。
ミルガウスを6店舗で査定してもらった結果は?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある
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