カーライフ

首都高より阪神高速の設計が優れているのはなぜ?

高速道路研究家が阪神高速を走ってみてわかったこと

 うーむ、素晴らしい! 改めてその構造の見事さに感動。カーマニア的見地からも非常に魅力的だった。  設計が合理的であることは前述の通りだが、阪神高速環状線は、片側4車線という大陸的な幅員を持ちながら、要所でクネクネと多種多様なカーブを描いている。首都高には片側3車線以上の急カーブはほぼ存在しないので、それだけでワクワクする。

阪神高速の片側3車線のカーブ

 それでいて、首都高同様に左右から分合流しまくるため、4車線を右から左へと連続車線変更するクルマも少なくなく、全体に走りがアグレッシブ。イタリアの街中を運転しているような興奮を覚えることができた。

阪神高速は、首都高に比べて車線変更が断然アグレッシブ!

 これに比べると首都高都心環状線は、距離が長いばっかりで単調にすら感じる。いや、首都高都心環状線は高架やトンネル、川床など構造は多種多様で、高架だけの阪神高速環状線より変化に富んでいるが、やっぱり眺めはいいほうがいい。高架オンリーの阪神高速環状線は、単純明快で爽快だ。

阪神高速の料金表

 自動速度取締装置の恐るべき多さは、かつて環状族(首都高で言うルーレット族)が隆盛を極めた名残りだが、ものすごく目立つ形状のレーダーがバンバン設置されているのを見ると、「これって漫才?」と思えてきて心が和む。これに比べると首都高のオービスは、隠すように設置されていて陰険である。

「どや!」と目立つ感じの阪神高速の自動速度取締装置

 阪神高速環状線は、首都高にはない魅力に満ちている。大和川線の開通で渋滞が減れば、さらに魅力も増すはずだ。カーマニアなら一度はグルグル回ってみることをオススメする。 取材・文/清水草一
1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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