所持金2万円で打つパチスロ「まどマギ」久々のコンチ音に…震えた
改札を前にして肩を落とす。まあ確かに営業していない方が世間的には正しいのだろう。このボロいパチ屋で6万円勝った成功体験が脳裏をよぎる。もし同じ勝ち方をしていれば家賃を払うことができたのにな、と最悪な言い訳を呟く。
諦めて良いのか?
もう1人の僕が問いかける。彼はいつも僕の背中を押してくれる。
良いわけないだろうが。一度打つと決めたら絶対に打つ。これが僕が僕として生まれてきた人間の矜恃だ。
2回電車を乗り換えたところに営業中のパチンコ屋がある。戦場はそこにしよう。
最寄駅から歩いていると電灯が消えていてギョッとしたが、前まできてみると普通に営業していた。入場制限を設け、店内ではマスクの着用が必須だと言われた。
予想通り。このために僕は今日マスクをつけてきた。厳重な感染対策を施された店内に入る。パチンココーナーは時間をズラして開店するらしく、スロットコーナーへと案内された。
自動ドアが開いた瞬間に音が耳に飛び込んできた。どの台も遠慮せずに爆音で人を呼んでいる。
目を閉じる。台たちが祭りの出店を出しているみたいだった。一つ一つが出す声が混ざり合った喧騒から、どの台があるかを聞き分けていく。GOD、バジリスク、北斗…みんな久しぶりだね。僕は……。
ところが、店内は萎えるほどに満員だった。それはそうだ。僕と同じ気持ちでここに集まったものも多いだろう。今日は勝ちにきたんじゃない。きっとみんな久しぶりの挨拶をしにきたに違いない。そして台もそれに応えてくれるはずだ。
1台だけ空いてる台があったので喫煙スペースでタバコを吸って缶コーヒーを飲んでからそこに座る。イチローが打席に入る時にする決まった動きをルーチンと言うが、僕のルーチンはタバコと缶コーヒーだ。これからこのスタジアムを沸かせてみせよう。
空き台は「魔法少女まどか☆マギカ2」という台だった。僕はこのシリーズが大好きだったし、この台に関しては50万円以上負けている。そろそろ勝つ頃合いだろう。久しぶりにはちょうど良い台だ。手元には2万円ある。勝つには十分な戦闘力だ。僕の気持ちに応えてくれよ、まどか……!
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1万5000円飲み込まれたところで当たった。ここから10万円くらい出ればとりあえず今直面してる問題は解決できる。
このスロットはボーナスの中にさらに当たりがあり、ARTと呼ばれる「当たりまくりモード」に入る。ボーナス中に突然金の扉が閉まってコンチ音(当たるときに特有の音)が鳴れば大チャンスだ。
ドキドキしながらボーナスを消化していく。メダルが下からジャラジャラと出てくる感覚はやっぱり気持ちいい。バカラや競馬のように一発で勝負が決まるのも良いが、こうして当たりが長い時間続くと全能感を覚える。
2万円の戦闘力
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。
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