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<純烈物語>「大丈夫?」は不安感ではなくワクワク感 マネジャーの目から見たメンバーとは?<第46回>

山本マネジャー

ライブの間、そっとメンバーを見守る山本マネジャー(右)

<第46回>「大丈夫?」は不安ではなくワクワク感。純烈マネジャーの目から見たメンバー

 当たり前のことだが、グループのマネジャーはメンバーの人数分の面倒を見なければならない。仕事としての経験値を積んでいるならばともかく、山本浩光の場合はスタートから6人のために動き回らなければならなかった。よくよく考えれば、とてつもないハードルの高さだ。  だが、本人に言わせると「だからこそ続けることができた」となる。つまり、6人組のマネジメントをするのが普通という環境。一人のアーティストについた経験がない分、大変さを感じる上での比較対象がなかった。  素人ならではの強みという点で、山本と結成当時の純烈は共通している。何度となく「もうやめたるわ!」と声を荒げたことはあっても本気でやめたいと思ったのは、どんなに純烈が売れて仕事が忙しくなろうと一度もない。  最初はなかなか埋められずにいたメンバーとの距離感が縮まっていく中で、一緒にクリエイトすることの楽しさに気づいていったわけだが、一方では踏み込めば踏み込むほど酒井一圭という人間の実像へ近づくことになる。これはメンバー、スタッフを含め純烈丸に乗る上での通過儀礼のようなものだ。 「最初は酒井一圭を理解していないから、日に日に言うことが違うのを見てなんやこいつは?と思っていました。理解どころか、むしろ不信感が募って『こいつ、ホンマに引きずり回したろうか』となるわけです。それが、何がきっかけだったのかは思い出せないんですけど、酒井の話を全部受け止めようとするからシンドいんちゃうかと思うようになったんですね。  面白いことや、なかなかなええことを言っとるなあというのを頭の中に残して、どうでもいいことは右から左に流そうと。そうしたら、酒井一圭が理解できるようになったんです。そこからですね、本当の意味で密にやるようになったのは。それまでこっちは探り探りだったのが、1年ぐらいで距離が縮まっていきました」  芸能界にいる人間であれば、もちろん芸能人としての感覚は備えている。ただ、その一方で「これはこの世界にいる人間やったらせんやろ」ということも酒井はやる。  安パイな方向に誰もが進める中で、この男はそっちが面白いとあれば率先して反対方向へいこうとする。そういう酒井が、山本は好きなのだという。  目を光らせる立場からすると安パイの方がいいし、よけいな気苦労を味わいたくなければそこでブレーキをかけるのがむしろ正常な判断となる。ところが山本は「大丈夫なのか?」が不安ではなくワクワク感に向かっていくという、まことにもって純烈のマネジャーが天職としか言いようがない体質にあった。
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枠にとらわれない狂った感覚を素でできるのが酒井
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