8時間働いて手にした1万円をパチンコにつぎ込む!社会に対して吠えながら…
くだらないにも程がある。適当な博打でちょっと当たれば手に入る金額を得るために1時間も使うのか。1万円手に入れるために8時間も無駄にすることになるとは。
金を稼ぐことの大変さなんて気づかなくていい。できるだけ何も考えずに、運よく金が手に入ればそれで十分だから、お金の大切さを知る必要なんてない。丸一日バイトして手に入れた1万円を持ってみて、
「こんなに働いて手に入れた1万円を今までパチンコや競馬に簡単に使ってしまっていたなんて、自分は間違っていた」
なんて思うのは嘘だ。人が1時間働いてもその日の飲み代にすらならない社会が間違っている。冗談だろ、と思う。なんのために大人になったんだ。酒を飲み、タバコを吸えるようになっても普通に働いたらこんな窮屈な目を見るなんて。怠惰な自分には耐えられない。
僕は節約をしない。毎日タバコを吸い、酒を飲み、飯を食う。金がなくなることを想定して我慢し続けることが耐えられない。そうならないために、そうならないために、と毎日思いながら死んでいくのだけはごめんだ。生活は0か10でいい。タバコも酒も飯も買えなくなったらどうせ嫌でも我慢することになる。
そしていつも通り、僕は1万円を握り締めて駆け出した。
気付いたらパチンコ屋にいる。間違っているんだ、この世の中は。ニコニコ1時間働いて手に入れた1,200円をありがたがるなんておかしいだろう。僕は絶対感謝なんてしない。これはマネーロンダリングだ。パチンコ中毒だから打つのではない。間違った価値観が横行するこの社会にヘコヘコしながら手に入れた間違った金を綺麗にするのだ。
尻のポケットに入った1万円をサンド(機械)に入れる。謎の正義感が湧いてくる。
僕は社会的には弱者だ。高卒で、無職で、たまに働いても1日に1万円だ。でもきっと僕よりも体力がない人だって学がない人だっているだろう。パッと見つけたバイトが大抵こんな賃金でどうしようというのだ。泣き寝入りするしかいないくらい何も知らない人はたくさんいる。「頭を使え」「我慢しろ」と言われ続けて、でも答えがわからないで苦しむ人だっているだろう。この1万円はそんな仲間たちに送るエールだ。
5分で1,000円が消えた。ヘコヘコ頭を下げながら過ぎた1時間の記憶は無為になる。1時間の労働は、約12倍に凝縮されて機械の中に吸い込まれていった。この時点で腹が立つ。1,000円でできる遊びなんてほとんどないし、パチンコでは5分だ。1時間働いてもこれだ。僕は今社会に怒っている。社会に怒りながらパチンコを打っている。
5,000円飲み込まれた。これで遡ること数時間前の時給は実質600円になる。元気がなくなってくる。1時間汗して稼いだ過去を取り戻したくて仕方なくなってくる。みんなの思いを背負って打ってはいたが、それが逆にプレッシャーになったのかもしれない。文句も言えずに低い賃金で働く仲間たちを思い浮かべる。彼らのために最前線で戦っているのは僕なのに、彼らは1円も損をせずに大事に1,200円を抱え込んでいるのだろう。僕一人に全てを背負わせて。
1万円についての相対性理論
フィリピンのカジノで1万円が700万円になった経験からカジノにドはまり。その後仕事を辞めて、全財産をかけてカジノに乗り込んだが、そこで大負け。全財産を失い借金まみれに。その後は職を転々としつつ、総額500万円にもなる借金を返す日々。Twitter、noteでカジノですべてを失った経験や、日々のギャンブル遊びについて情報を発信している。
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