“世間”が中途半端に壊れた今、生き延びるために必要なこととは/鴻上尚史
“世間”が中途半端に壊れた今、生き延びるために必要なこととは
先週の続き、ブレイディみかこさんの中学生の息子さんが言った「日本人は『社会』に対する信頼が足らない」についてです。
現代ビジネスの5月2日の佐藤直樹さんの原稿「コロナ禍で浮き彫り、同調圧力と相互監視の『世間』を生きる日本人」で、驚くべきデータが紹介されていました。
佐藤さんは、九州工業大学の名誉教授で、僕が「世間」と「社会」にこだわるずっと前から、「世間」について考察されてきた方です。
どんなデータかと言うと、「総務省『情報通信白書』(2018年版)によれば、欧米諸国に比べ日本は他人への不信感が強いという。すなわち、『SNSで知り合う人はほとんど信頼できる』『そう思う・ややそう思う』が日本は1割ほどだが、ドイツは5割、アメリカは6割、イギリスは7割あるそうだ」というものです。ちょっとびっくりしませんか? 1000人からの回答ですから、それなりの信頼はあると思います。
日本人はSNSで知り合う相手を1割しか信用しない。これほど、明確な「『社会』に対する信頼が足らない」ことを現す具体的なデータはないんじゃないかと、唸ります。
佐藤さんは続けて、「また、ネットで知り合う人を見分ける自信があると答えたのが、日本は2割だが、英独仏は6~7割であった」というデータも紹介しています。
これはもちろん「欧米人が他人を信用できると答えるのは、見分ける自信と能力があると考えるからで、別に人が良いわけではない」と説明し、「まさにヨーロッパで11~12世紀以降成立した個人とは、人間関係を自立的に判断する能力をもつ者のことであった」と解説しています。
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