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若年ホームレスを支援する26歳女性の挑戦 「コロナで相談が倍増しました」

当初は賛同者集まらず…。現在は10社ほど紹介できる態勢に

市川 当初は賛同者を見つけるのが大変だった。「寮付きの仕事自体が数少ない中で、はじめはひたすらテレアポ、飛び込み営業でした。『なんでそんな人たちを雇わなくちゃいけないの?』『仲介手数料を払わなくても嫌だ』と言われることもありました」と振り返る。  現在では製造、建設、介護、新聞配達、警備など関東近郊を中心に10社ほど仲介できるようになった。時季によってはリゾート求人も入ることもあり、業種の幅も広がっている。  一方、うまく就職できても、その後定着しなかった人も中にはいる。これまで100人余り就職したが、2か月以上仕事を続けた人は約70人ほどだ。市川さんは「無理やり仕事を紹介しても、続けることはできないのでその人のためにはならない」とした上で、相談者の要望に応えるためスピード感持って仲介することを意識する。

「誰もが孤立することのない社会の実現を」

 東京都がまとめた「道路・公園・河川敷・駅舎等の路上生活者概数調査」によると、都内で把握している路上生活者(ホームレス)は19年8月で1037人(前年比147人減)と4年連続で減少傾向にある。その一方、都が18年に発表した「住民喪失不安定就労者等の実態に関する調査」では、ネットカフェ、漫画喫茶、サウナなどを利用する「住居喪失者」は、都内だけで1日当たり4000人。市川さんは「『見えないホームレス状態』の人たちは、コロナ禍で増えていると感じます」と危機感を募らせる。  市川さんの目標は、誰もが孤立することのなく、何度でもチャレンジできる社会の実現だ。世界的にみて豊かな国といわれる日本でも、目に見えにくい貧困があると感じている。 「自分にできることは、生活を立て直すお手伝い。次のステップに進みたいと思っている人たちを今後もサポートしたい」  26歳女性起業家が放った力強い意気込みが、深く印象に残った。<取材・文・撮影/カイロ連>
新聞記者兼ライター。スター・ウォーズのキャラクターと、冬の必需品「ホッカイロ」をこよなく愛すことから命名。「今」話題になっていることを自分なりに深掘りします。裁判、LGBTや在日コリアンといったマイノリティ、貧困問題などに関心あります。Twitter:@hokkairo_ren
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