若年ホームレスを支援する26歳女性の挑戦 「コロナで相談が倍増しました」
生活困窮者に仕事と住まいを紹介するソーシャルビジネスが、ホームレス問題を解決する一助になると期待されている。Relight株式会社の市川加奈さん(26)が立ち上げた生活サポート総合事業「いえとしごと」だ。
住所や携帯電話、身分証がなくても、長く働ける場を提供しようと昨年4月に始まった。寮付きの求人紹介に特化したサービスで、これまでに100人以上就職につなげた。現場目線の手厚い対応が、好評を呼んでいる。
九州から上京の20代男性が6月下旬、都内にある市川さんの会社へ訪れた。キャバクラのボーイやコンビニ店員など職を転々とし、相談時は都内に住む友人の家に居候中だった。友人からそろそろ出ていってほしいと言われたため、インターネットで住み込みの仕事探しをしていたところ、寮付きの職場を紹介してくれる「いえとしごと」を見つけた。
男性が記入した登録シートを眺めながら、市川さんは「面接に行く交通費はある?」「細かい作業は好き?」などと質問を重ねた。上京理由などプライベートなことはあまり詮索せず、仕事と一緒に紹介できる住まい(寮)や生活再建に向けた具体的な道筋を話し合っていた。
40分余りの面談後、翌日に1社面接を受けることが決まった。ほっと一安心する男性に、市川さんは「仕事に受かることがゴールではなく、続けることが大事です。働いてみて続けられなさそうだったら、いつでも言ってください」と伝えていた。
「面接に行く交通費はある?」「細かい作業は好き?」 相談者の要望探る
新聞記者兼ライター。スター・ウォーズのキャラクターと、冬の必需品「ホッカイロ」をこよなく愛すことから命名。「今」話題になっていることを自分なりに深掘りします。裁判、LGBTや在日コリアンといったマイノリティ、貧困問題などに関心あります。Twitter:@hokkairo_ren
記事一覧へ
記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】
「路上で石を売っていた」元芸人が、100人のホームレスを取材するまで
某著名人の家を追い出され、ホームレスになった元格闘家。ネットカフェや路上で寝る毎日
歌舞伎町の路上で暮らす27歳女性。YouTubeで有名になったが、稼ぎは「全部溶けちゃう」
DV家族に家を追い出され、精神疾患のため仕事にも就けない…ホームレス生活を送る27歳女性の思い
ネットカフェに寝泊まりする40代フリーター。お金も家もないが「生活には困らない」わけ
この記者は、他にもこんな記事を書いています