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“令和の怪物”佐々木朗希が人生の指針とする、イチローの言葉

野球への道を突き進むキッカケはイチローだった

佐々木朗希投球練習 メディアから尊敬する人物を問われると「イチロー」の名前を挙げる。“令和の怪物”と呼ばれる千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手にとってそれは偽らざる事実であり、野球への道を突き進むキッカケになった人物はイチローなのである。 「2009年のWBCを自宅のテレビで見ていました。小学校1年生の時だったと思います。下校後に見ました。まだ野球はしていませんでしたけど、兄が野球をしていたので野球はもっとも身近なスポーツでした」  佐々木朗希はロッカールームで当時のことを饒舌に話してくれた。2009年3月23日、ドジャースタジアムにて行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝。10回表2死2、3塁の場面。イチローは7球粘った末、センター前に2点タイムリーを放った。決勝の延長戦でスーパースターが試合を決める。日本中が手に汗を握った場面だった。目の当たりにしたドラマチックな展開に、当時小学1年生だった佐々木朗希も胸をときめかせた。 「感動しました。野球ってカッコいいなあとこの時に思ったのです」

心にスッと入ってくる、独特の“イチロー節”

 あれから月日は流れ、佐々木朗希は背番号「17」を背負って千葉ロッテマリーンズの本拠地ZOZOマリンスタジアムのロッカールームにいた。8月2日、練習を終えクラブハウスに引き上げると、テレビでは偶然にも2009年のWBC決勝の再放送が行われていた。  この日、テレビ中継予定だった福岡ソフトバンクホークス対埼玉西武ライオンズ(PayPayドーム)が新型コロナウイルスの影響により中止となり、急きょ差し替えで放送されていたのだ。懐かしの試合は、若者の人生において向かうべき方向を決めた試合でもあった。感慨深げに映像を見入る佐々木朗希の姿があった。 「イチローさんの言葉はどれも新鮮で心に入ってくる。心に響くのですよね。感銘を受けるというのはこういう感覚なのだと思う」と佐々木朗希。テレビのドキュメンタリー番組を見るのが好きで、野球だけでなくさまざまなスポーツ選手の番組を見てきた。  それは、その世界のトップアスリートが口にする言葉を聞きたいから。発する言葉を自分の人生の肥やしにしたいとの思いがある。やはりいちばんスッと入ってくるのは、幾多とあったイチローの特集番組で語られた、独特の“イチロー節”だった。  現役を引退したイチローは日米通算4000安打の偉業を達成した際に「4000のヒットを打つには8000回以上は悔しい思いをしている。自分は常に悔しさと向き合ってきた」と語っている。背番号「17」も、きっと輝かしい成功体験ではなく、悔しさや辛い思い、泥臭い体験をエネルギーに転換することで、これからのプロ野球人生を前へと進めていくのであろう。
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プレーと同時に、言葉でも勇気づけられるような存在に
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