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“令和の怪物”佐々木朗希、ついに実戦デビュー「マウンドから見えた景色は素晴らしかった」

自分の中でも、手ごたえやワクワクするものがあった

佐々木朗希投手

佐々木朗希投手

「超楽しかったです」  3月12日、ZOZOマリンスタジアムでの中日ドラゴンズとのオープン戦。プロ入り初の対外試合での実戦登板を終えた直後に放った、佐々木朗希投手の言葉である。表情は充実感に満ち溢れていた。  振り返ると、石垣島キャンプで久々にチームメートと再会した時から笑顔に溢れていた。投げたくてウズウズしているかのように暇さえあれば所構わずにシャドーピッチングをしている姿が印象的だった。それだけ身体に手ごたえを感じていた。 「1年目は流れもわからなかったし、環境の変化へ適応をする必要もあった。その中で1年間しっかりと準備をしてしっかりと体づくりをして迎えた2年目。自分の中でも手ごたえがありましたし、ワクワクするものがありました。野球が好き。野球って楽しいなあと投げていて改めて思いました」  投げ終わった時、佐々木朗希はそのように心境を語った。

騒ぎ立てる周囲に対して、マウンドで答えを出す

 まさに“令和の怪物”にふさわしい雰囲気がスタジアムを包んでいた。背番号「17」がマウンドに近づくと、球場中が一斉に固唾を飲むように静まり返った。静寂の時間。プロ野球の試合で音が止むというのはなかなかない。  しかし、誰もがマウンドで投げる投手に注目をするように突如、音が消えた。先頭の京田陽太内野手を一ゴロ。続く阿部寿樹内野手を遊ゴロに抑えると、最後はダヤン・ビシエド内野手を見逃し三振に仕留めた。静寂が一転、拍手が鳴りやまない。MAX153km。かくして怪物はデビューした。 「マウンドから見えた景色は素晴らしかった。無茶苦茶いい景色。今日は、今まで投げた中でいちばん思い出深いかもしれない」  スタンドで見守ったファンだけではなく、マウンドにいた本人も興奮していた。降板後は、まくしたてるように感想を口にした。1年目は体力強化、身体強化に充てた。この我慢が必要なのは分かっていても、周囲からは急かすような声も当然耳に入ってきた。  “令和の怪物”と世間は呼ぶかもしれないが、どこにでもいる19歳の若者。地道なトレーニングを続けていく中で心が右に左にと揺れることはあった。自問自答をして最後に行きつくのは、自分を信じること。騒ぎ立てる周囲に対してあれこれ言うのではなく、投げる時にマウンドで答えを出すというシンプルな結論だった。
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マウンドに向かう姿をイメージしていた
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