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コロナ禍でも完売。大人の鉄道スタンプラリー「鉄印帳」でローカル線巡り

平日しか入手できないレア鉄印も

甘木鉄道、平成筑豊鉄道、松浦鉄道(左から)

左から甘木鉄道、平成筑豊鉄道、松浦鉄道

鉄印を販売している甘木鉄道・甘木駅

鉄印を販売している甘木鉄道・甘木駅

 一方、筆者は8月上旬には取材で九州を訪れ、そのついでに長崎・佐賀の両県にまたがる松浦鉄道、基山駅(佐賀県)~甘木駅(福岡県)を結ぶ甘木鉄道、かつて炭鉱で栄えた福岡県の筑豊地方を走る平成筑豊鉄道の鉄印3つをそれぞれ入手。
鉄印販売窓口がある平成筑豊鉄道・金田駅

鉄印販売窓口がある平成筑豊鉄道・金田駅

 このうち平成筑豊鉄道は、鉄印を扱う金田駅の受付窓口が平日のみの営業だと知らずに二度訪問。おかげで全区間乗車できたのはよかったが、土日祝しか休めない多くの鉄道ファンには少々ハードルが高いかもしれない。実際、入手困難の鉄印のひとつに挙げられているという(※後で気づいたが、筆者が訪れた甘木鉄道の鉄印受付も日祝は休みだった)。  だが、逆にそれが収集欲をかき立ててくれる。寺社の御朱印だって必ずしも毎日受け付けているわけではなく、祭事の際には記帳してもらえない場合も多い。  鉄印も取り扱い駅の窓口の営業時間は各鉄道会社に委ねられているが、始発~終電までの全時間帯で扱っているわけではない。早朝や夜間は窓口が閉まっていることも多いため、事前に確認しておいたほうがよさそうだ。  コロナ禍の影響で鉄道各社の運賃収入は軒並みダウン。感染再拡大で夏場に入ってからも旅行客は例年に比べると少ないが、鉄印帳は完売するほどの人気ぶり。苦境に立たされる地方の第三セクター鉄道にとっては数少ない明るい話題だ。  今はまだ残念ながら気軽に鉄印巡りの旅ができる段階ではない。それでも鉄印を通じて地方の第三セクター路線を利用する鉄道ファンは間違いなく増えるだろう。今後、新たな鉄道旅行の楽しみ方のひとつになっていくことを期待したい。<TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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