米大統領選で見える二つの筋道、巨大化しようとする中国…これらに我が国は何をしたのか?/倉山満
軽く「中国を潰す」とおっしゃる御仁が多いが、潰した後にどうするのか。清朝が滅んだ辛亥革命の事後処理を誤った大日本帝国の轍を踏まないと言い切れるのか。
そもそもトランプすら、中国を潰すなどと一言も述べていない。中国を潰す、あるいは断交して巨大な市場を逃しても構わないなどとは、かけらも考えていない。横暴な中国を掣肘しようとしただけだ。
本当に中国を潰そうとするなら、ソ連を潰したロナルド・レーガンのようにやるだろう。自国経済を強める、自由主義諸国との同盟を強化する、軍拡競争を挑む、スパイを放ち裏工作を仕掛ける。
トランプは第一段階に成功しかけたが、コロナで吹っ飛んだ。
我々は、コロナを乗り切り、巨大化しようとしている中国に備えるべきだろう。
さて、我が国は?
レーガンと親密な関係を築いたことになっている中曽根康弘は、防衛費を申し訳程度に増やし、8月15日に靖国神社に参拝することを自己目的化した。それに何の意味があったか知らないが。
安倍首相は、それすらやっていない。どうするつもりなのか。政治の空白だけが続いている。1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中
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