東京都の感染防止ステッカー。「誰でももらえる」事実をなぜツッこまない?/鴻上尚史
どこまで目安になる? 自主努力任せの虹のステッカー
最初、小池都知事が、レインボーのステッカー(感染防止徹底宣言ステッカー)を記者会見で示して、「都民の皆様には、訪れる店の目安にしてほしい」とか「東京中を、安心の虹のステッカーで埋め尽くす」と強くアピールしている時には、ごく素朴な疑問として、「いい対策案だと思うけど、都内のお店がちゃんと感染防止対策をしているかどうか判断して、このステッカーを交付するのは、事務手続き的に無理があるんじゃないか。間に合わないんじゃないかな」と思っていました。
ところが、このステッカーは、「ネットで簡単なアンケートに答えると、お店が勝手にダウンロードできる」と知りました。
知った瞬間は、思わず、声が出ました。
それはつまり、感染対策はお店の自主的な判断に任されているということで、なんの客観的基準もない、ということです。
で、案の定というか、当然というか、このレインボーのステッカーを掲示したお店でクラスターが発生しました。
小池都知事は、これに対して、「対策せず貼る業者がいないとは限らない」と述べました。
あたしゃ、この発言を聞いて、また声が出ました。
これ、ものすごく他人事のような発言ですよね。
だいいち、そんなお店が出ることは簡単に予想がつきますよね。
でも、一番の問題は、ステッカーのシステムが「アンケートに答えて、ダウンロード」だということを知った時点で、マスコミが「それは、啓蒙とか意識啓発ということでは意味があると思いますけど、対策としての客観的な実効性はとても薄いんじゃないですか」と問題にしなかったことなんじゃないかと僕は思っています。
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