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2歳戦を制するものが馬券を制す 鈴木ショータの2歳馬通信簿

デビュー前から話題だった馬はどうか

 スワーヴエルメ(父ドゥラメンテ、母アイムユアーズ、牡)は、新馬戦では2着に敗れたが、すぐに勝ち上がることができそうだ。  同馬も父にドゥラメンテを持ち、デビュー戦が重馬場だったことは不運だった。それも開幕週で内が有利な馬場のなか、外を回って2着なのだから悲観する内容ではない。時計や上がりタイムも優秀で、先着を許したタウゼントシェーンも、おそらく今後活躍してくる実力馬。レベルの高かった新馬戦として覚えておきたいレースだ。  クルーガーの全弟ヴェルナー(父キングカメハメハ、母アディクティド、牡)は、デビュー戦は1番人気4着と、辛酸をなめた。結論から言うと、推奨した手前心苦しいが、まだ馬券的に狙える状況ではなさそうだ。  デビュー前の5月の時点から、調教タイムが詰まってこず、大きな成長が見られない。関係者の話では、「全兄のクルーガーより、気持ちがぴりぴりしている」とのことで、テンションが上がりすぎるため、強い調教ができないのだと察することができる。  レースでも他の馬を嫌がるような素振りを見せており、精神的に幼さを残している。素質は確かだけに気持ちの面が整ってくれば活躍が期待できそうだが、しばらくは静観が妥当かもしれない。  前回の記事で、最後の1頭に名前を挙げたダノンザキッド(父ジャスタウェイ、母エピックラヴ、牡)は、超大物になりそうだ。  6月28日の新馬戦は、馬なりで2着馬に0.5秒差をつける圧勝劇だった。その走破タイムが、歴代のGⅠ馬たちをしのぐタイムなのだ。6月の新馬戦の歴代上位タイムを調べると、以下のようになった。 1.48.7アーネストリー(宝塚記念1着) 1.48.7ダノンプレミアム(朝日杯FS1着) 1.48.8マイネアロマ 1.49.1ロジユニヴァース(日本ダービー1着)  ダノンザキッドが記録したタイムは1.48.3。それも、稍重馬場を馬なりで。2着に下したワンダフルタウンが、次走で後続に1.3秒差をつけ、レコードタイムまで出していることも、さらに期待を高まらせる要因だ。個人的にはPOGでも指名をしている馬なので、この先、GⅠをいくつ勝ってくれるのか、今から楽しみでならない。
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。
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