恋愛・結婚

同性結婚式ができるお寺を取材。ネット上では批判もあった

 日本は性的マイノリティに対する社会的成熟度が低いと言われているが、2015年に日本で初めて渋谷区がパートナーシップ制度を開始し、遅まきながらLGBTQの認知が広まっている。そんな中、埼玉県川越市にある最明寺というお寺は、LGBTQを対象とした結婚式ができるという。

同性結婚式を始めた理由

同性結婚式

最明寺 公式サイト

 この試みを始めた理由を千田明寛副住職はこう語る。 「私はお坊さんになった後、インドに留学をしたんです。インドって人種も宗教も言葉も混在した国で『多様性の国』と呼ばれていて、肌の色も言葉も違う私を、誰ひとりとして虐げるような人が居なかったんですよ。違いを認めて生活しているんです。そういった国で暮らしてみて、自分と違う人を受け入れるという土壌が私の中にもできてきたんです」  さらに“ご縁”としか言いようのないタイムリーさで、行政の動きが加わったことも後押しとなったそうで、「今年の5月に、川越市がパートナーシップ宣誓制度を開始したんです。自分の住んでいる街がこうやって動きはじめたときに、お寺としても何かアシストできればと思ったんですね」(同氏)と話す。  そもそも、仏教は同性愛やトランスジェンダーについて何か語っているのだろうか。これについて同氏は「直接語るものはおそらくないんですが、仏教はインドのカースト制度へのアンチテーゼとして出てきたという背景もあるんです。それは、仏教は身分だけでなく、広義的な意味では外見やセクシュアリティも関係ないということだと思います」といい、仏教の根幹の考え方を考察する。  また、ここ最明寺の本尊である阿弥陀如来の教えについて「阿弥陀如来様も『私は誰でも等しく救ってみせる』と教義の中で説いています。この“誰でも”には、もちろんセクシュアリティを問わずという意味も含まれると考えています」と言う。

ネットでは批判もあった

 神前や人前結婚式がポピュラーだが、仏様の前で執り行う『仏前結婚式』とはどんなものなのか。千田副住職は「私は神前式については詳しくないですが、二つはかなり共通した部分があります」と話す。  他の結婚式で見られる結婚指輪の交換は、仏前式では夫婦がこれまで使ってきた数珠をお寺に渡し、お寺からもらう新しい数珠と交換する。また「うちの同性婚結婚式では、(LGBTQを象徴する色ある)レインボーの数珠を用意しています」(同氏)というが、虹色を前面に出すことに対しネット上では批判もあったという。  それでも敢えて、虹色を前面に出す理由として「カップルという言葉が、フラットに異性も同性も指すのが理想ですけど、今はまだそうなっていないので、あえて出しているんです」と思いを語った。
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